solid bond

never a dull moment

90年代

「シザーハンズ」世界に生き残れないイノセンス

久々にシザーハンズを観た。イノセント(純真無垢なもの)が社会から排除される必然を描いた、冷徹な現実の寓話だ。本作が公開された90年代初頭の映画は、多くがハッピーエンドで終わらない。ティム・バートン監督は「純粋なものは世間では生きていけない」…

OASIS 東京ドーム

2025年10月25日、東京ドーム。25年ぶりに帰ってきたオアシスの初日公演を観た。 タクシーで会場に乗り付けた。東京ドームの坂を上がり、入口にたどり着くと、目に飛び込んできたのは「OUR GIANTS WILL LIVE FOREVER」の看板。長嶋茂雄とオアシスの共演。東…

Fountains of Wayne、本領発揮の名盤「 Utopia Parkway」

1999年発表、2ndアルバム。 グランジのザラつきをまとった1stとは違い、ポップセンスを全面に押し出した作品。やたらとキラキラしている。1stの陰影に惹かれていた自分には、当初かなり肩透かしだった。しかし、これこそがFOWの本領だった。 グランジ的な音…

Velvet Crush – Teenage Symphonies To God(1994)

94年リリースのセカンドアルバム。 タイトルからしてブライアン・ウィルソンを意識したもので、内容もまさにビーチボーイズやバーズ、ストーンズといった60年代のロック黄金期へのオマージュに満ちているレーベルは当時オアシスやプライマル・スクリームも所…

Cracker!グランジの影響を受けたオルタナ・カントリーの雄

Crackerは、1990年代初頭にCamper Van Beethovenの解散を経たDavid Loweryが、ギタリストのJohnny Hickmanと始めたバンドだ。スタイルはロック寄りのオルタナ・カントリーで、元祖的な存在。深く沈みこむような歌声と、グランジを経由した尖ったサウンド、ダ…

俺とジャーヴィスのdisco2000

BBCラジオを何気なく流していたら、ベックの“Sexx Laws”がかかった。90年代らしい雑多なミクスチャー感。当時も今も響かない曲だ。このアルバムのベックは何だったんだろうか。 その後に続いたのがハッピーマンデーズ。月曜に聴くとすべてがどうでもよくなる…

Latin Playboys!!特別変異の音像が最高すぎる

94年、ロス・ロボスの中心メンバーが、プロデューサーのチャド・ブレイクとミッチェル・フルームと組んで生まれた実験的サイドプロジェクト、Latin Playboys。当時のオルタナロックの空気と、ロス・ロボスが育んできたルーツ・ロックの文脈がクロスした奇妙…

桜、満開。サニーデイ・サービスの「東京」を聴く。

桜が一気に咲いた。足踏みしていたつぼみが、数日ぶりの陽射しに一斉に開いた。街の空気が柔らかくなって、季節が少し進んだ気がした。 今年もサニーデイ・サービスの『東京』がハマる季節が来た。どこか無防備で、光が差し込んでいるのに、物寂しさもある。…

UKロックの渋谷系。クーラ・シェイカー。

BBCを聞いていたら、クーラ・シェイカーが流れてきた。久しぶりに聴いて、やはり実力のあるバンドだと再認識した。フジロックで何度も見たが、他のUKバンドと比べて演奏能力が高い。ボーカリストのクリスピアン・ミルズはカリスマ性があり、ルックスも良く、…

佐野元春の彼女の隣人と永野

ということで、昨日久しぶりにYouTubeを見ていたら、芸人の永野が佐野元春の「彼女の隣人」について語る動画が出てきた。永野チャンネルは一時期よく見ていたけど、最近は広告色が強い企画が増えて少し距離を置いていた。そんな中で「彼女の隣人」を取り上げ…

今から30年前が95年、その30年前が65年。

大学生だった95年に、ビートルズを「昔のバンド」として聴いていた。当時30年前の音楽だった。そして今や慣れ親しんだ90年代の音楽も30年ものの存在になった。この間notesに記事を書いたradioheadの「The Bends」が発表されて30年だ。 歴史的名盤『ザ・ベ…

BECK、最高

ベックは、90年代から今に至るまで、独自のスタンスを保ち続けている稀有なアーティストだ。ローファイな雰囲気とサイケデリックなエッセンスを持ちながら、時代ごとに違った顔を見せてくれる。彼の音楽は、ジャンルを超えて、時にフォーク、時にエレクトロ…

radioehead「The Bends」と俺

『The Bends』── レディオヘッドとの出会いと衝撃 レディオヘッドの『The Bends』はリアルタイムで聴いてどっぷり浸った。発売された95年3月はちょうど自分が大学受験を終えたタイミング。同じ頃、割と近くの上九一色村で例の事件があったりして、世の中も…

ニルヴァーナと俺

シングル「Smells Like Teen Spirit」がヒットしていたのが91年の秋から冬にかけて。当時俺は15歳で、暇な時間はピアノがあるオーディオルームでTVKのビルボードトップ40を観ていた。今と違って結構寒い冬で、部屋にあったストーブの灯油の匂いまで思い出せ…

モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ!ブラーのアルバムレビューとランキング。

ブラーは、マンチェスタームーブメントの末端からデビューし、60年代から90年代までのUKロックの歴史を包括した「LIFE三部作」でブリットポップの中心としてシーンで輝きました。その後、USオルタナ志向が強まった傑作「BLUR」、外部のプロデューサーの力を…

若きブラッド・ピットとモンタナの大自然が美しいリバー・ランズ・スルー・イット

「午前10時の映画祭」で92年公開の「リバー・ランズ・スルー・イット」を30年ぶりぐらいに観た。 ロバート・レッドフォードが監督の元、フライフィッシングの神々しい躍動感と当時20代後半、売出し中のブラッド・ピットの若々しさが、アメリカモンタナ州の雄…

Paul Weller – Heliocentric

90年代を浮き沈みの中サヴァイブしたウェラーが00年に発表したソロ5作目。全英2位。 ジャケットのリラックスした佇まいがかっこいい。 www.youtube.com 前作のラフな作風を引き継いでいるが、エネルギーは抑えめ。アコギやニック・ドレイクの諸作で有名なロ…

Paul Weller – Heavy Soul

97年発表。ソロ4作目。全英2位。 youtu.be 繊細なプロダクションが光った前作とは対照的に、アグレッシヴでライヴ感の強い作品。メンバー四人がスタジオで目を合わせながら録音した感じが伝わってくる。 youtu.be アレンジも、前作の高級感ある凝ったものか…

Paul Weller – Stanley Road

95年発表のソロ3作目。英国では1位。 ウェラーの故郷に由来するアルバムタイトルは、ビートルズの最終作を彷彿とさせ、アルバムジャケットのコラージュはサージェントペパーのアートワークのデザイナーが作成するなどビートルズへのオマージュが当時のウェラ…

Paul Weller – Wild Wood

93年発表のソロセカンド・アルバムで代表作の一枚。全英2位とチャートでも成功し、現在に至るポジションを確立した。 www.youtube.com このアルバムが出た93年、ブラーが「モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ」を発表。翌年にはカート・コバーンが亡くなり、…

Matthew Sweet – Altered Beast

93年にリリースされた4作目。セガの人気ゲーム「Altered Beast」にインスピレーションを受けており、マシューのゲーム愛が反映されている。 アルバムには、いくつも佳曲が収められている。特に「Devil With The Green Eyes」は、ドラマティックなメロディと…

Belle & Sebastian – The Boy With The Arab Strap

">98年にリリース。 ">UKロックシーンはブリットポップの残り火の中、ロックとクラブサウンドが盛っていた。 ">ベルセバはそのようなシーンとは一線を画し、繊細でインディーズ志向の音楽を展開、独自のアプローチは注目を集め、日本を含むギターポップフリ…

R.E.M. – Automatic For The People

92年発表。R.E.M.のキャリアのみならず、90年代ロックの枠組みにおいても特筆すべき作品の一つ。 前作「Out of Time」がカラフルでアッパーな雰囲気だったのに対し、より暗くモノクロな印象を与える内容となっている。真夜中、月、静粛、静かな湖といったイ…

The Sea And Cake – Nassau

95年発表。 サムプレコップ、ジョン・マッケンタイアらシカゴ界隈のミュージシャンが結成したユニット。トータス程複雑でなく、シンプルで音数を絞った演奏で、中心にあるのは歌。腕利き達の我慢比べのような凌ぎ合いが最高にかっこいい。生ぬるい雑魚パンク…

Rod Stewart – Vagabond Heart

91年発表。 充実した70年代を過ごしたロッドも、80年代、人気はさておき作品の質をあからさまに下げていた。前作「out of order」も聴き直す価値が見いだせないアルバムで、半ば「オワコン」と化していた中、トレバー・ホーン等の力を借りてロッドが再度意地…

Stereophonics – Word Gets Around

97年発表。 ブリットポップ末期にウェールズからやってきた骨太ロックバンド。 当時シーンの最前線にいたOASISやCASTなどよりもずっと重い音を鳴らすギターと、重心の低いドラムを中心としたダイナミックなバンドサウンドと、ケリー・ジョーンズの素朴でブル…

Foo Fighters – The Colour And The Shape

97 年発表。 前作(1ST)はデイヴ・グロールの「マッカートニー」的な実質ソロ作品だったが、本作はパット・スメア他バンドメンバーを招集。ピクシーズの「ドリトル」「ボサノヴァ」で有名なギル・ノートンがプロデュースを請け負い、ダイナミックで緩急のつ…

Sloan – Navy Blues

Sloan – Navy Blues カナダを代表するロックバンドの4作目で代表作。 冒頭「She Says What She Means」から密度の高いロックが爆発。サウンドはクイーンやチープトリックを彷彿とさせる70年代風だが、メロディラインのセンスはビートルズ(特にポール・マッ…

Sloan – One Chord To Another

96年発表。 カナダの4人組の3作目。 前作はゲフィンからのリリースで、相当な制作費をかけて制作されたが、「グランジ」を求めるレーベルとの摩擦によりゲフィンを離脱、このアルバムは低予算で作られた。自由な環境下、過剰なディストーションが薄れ、現在…

Finn - Finn Brothers

95年発表。クラウデッド・ハウスのニール・フィンと、元メンバーで兄弟のティムによるユニットの1stアルバム。プロデュースは縁が深いチャド・ブレイク。 クラウデッド・ハウス以上に内省的なメロディとチャド色の強い音響的な広がりのあるサウンドが相乗効…