「午前10時の映画祭」で92年公開の「リバー・ランズ・スルー・イット」を30年ぶりぐらいに観た。
ロバート・レッドフォードが監督の元、フライフィッシングの神々しい躍動感と当時20代後半、売出し中のブラッド・ピットの若々しさが、アメリカモンタナ州の雄大な自然を舞台に記録された傑作だ。
神とも言える雄大な自然が見守る中、二人の兄弟の成長が描かれるが、デカい何かが起こることも無く、淡々と、ゆったりと話が進んでいく。このタイム感が非常に心地よい。90年代はこういった過剰な演出がない映画が結構沢山あった。
改めて観ると、ブラッド・ピットはニヤニヤ笑ってばかりで、それほど演技がうまい感じでは無い。一方で主役のクレイグ・シェイファーは、口の動きひとつで感情を表現するなど映画に深みを与える名演だ。
約2時間、飽きることなく進み、兄弟のエピソードがしっかり描かれるが、クライマックスはまさかのモノローグで映像無しだ。それが凄く自然で、納得感すらある。
若い頃は当時の自分を主人公に置き換えて感動していたものだが、今は神父の親父に同調してしまうな。
良い時間を過ごせた。