solid bond

never a dull moment

Paul Weller – Fat Pop 

2021年発表。コロナ禍に作成された。2作連続の全英1位。
長いキャリアの中でも最も丁寧に作られた作品のひとつじゃないか。メロディと、アップデイトされたウェラーサウンドの水準がむちゃくちゃ高い。血潮滾るロックであり、職人的な「ポップ」である。両面において最高峰の作品だ。

プロデュースはウェラーとの相性が非常に良いJan "Stan" Kybert。スタンリーロード期のライブ感あるワイルドなサウンドと比べると、非常に親密で温かい音作りになっていて、これが聴いていると非常にハマる。この人とのコラボにハズレはない。サウンドはいつものウェラーチームで、温かい音からチームワークの良さが伝わってくる。
 
 
プロデュースはウェラーとの相性が非常に良いJan "Stan" Kybert。スタンリーロード期のライブ感あるワイルドなサウンドと比べると、非常に親密で温かい音作りになっていて、これが聴いていると非常にハマる。この人とのコラボにハズレはない。サウンドはいつものウェラーチームで、温かい音からチームワークの良さが伝わってくる。

エレクトロなかっこよいサウンドでスタートする「Cosmic Fringes」でアルバムの成功を確信、ギターサウンドがかっこいいリア・メトカーフとのデュエット「True」、ファンク的なサウンドとトリッキーなベースラインがかっこいい洒落たタイトルナンバー「Fat Pop」、極めてブリットな素晴らしいメロディを持つ娘リア・ウェラーとの共作(素晴らしい曲!)「Shades Of Blue」、浮遊感あるメロディがストリングスとうまく絡む名曲「Glad Times」、スタジオで一発録りされた軽快なファンクナンバー(このアルバムで一番好きだ)「Testify」、抑えを利かせたボーカルと間奏のサックスとギターがかっこいい「In Better Times」、名曲だらけだ。アルバムは、ウェラーの片腕スティーヴ・クラドックとの共作「Still Glides The Stream」(しびれる!)で幕を閉じる。

ウェラーの喉は、60歳を過ぎてから少し枯れてきてるが、それが新たな表現に繋がっている。通常のアーティストの場合、枯れてくると、ブルースとかジャズとかアンプラグド的な方向に進みがちだ。特にウェラーは、ソロデビュー後しばらくR&Bやソウル色の強い渋いロックをやっていたため、そっち方向に進むものだと思っていた。しかし、還暦を過ぎたオヤジが選択したのは「ポップ」。それもこの完成度。40代のウェラーを観ていた人が今のこの音をどれだけ想像できたか。最高。ほんとかっこいい。