solid bond

never a dull moment

  • the folk improsion / the new folk implosion

ご存知、元ダイナソーのベーシスト、ルー・バーロウ率いるユニットの新作。
前作「ワン・パート・ララバイ」からインターバルが相当空いての作品で、バーロウの別ユニット「セバドー」もほぼ活動中止状態。本当にご無沙汰だ。しかし、相変わらずセンスの良いロックを奏でている。

前作は、映画「KIDS」のサントラのヒットを受け、非常にメジャーシーンを意識した音だった。僕は凄く好きなアルバムのひとつだったんだけど、シーンの評価は低かったように記憶している。

前作でのパートナーの脱退を受け、新たに二人のメンバーを追加した今回の作品は、「セバドーがフォーク・インプロージョンの作品を演奏した」、そんな印象を持った。アコギがフィーチャーされた曲も多いが、基本的にロック的な開放感さえ感じさせる印象。音の質感はセバドーの最新作「ザ・セバドー」に非常に近い。ただ、セバドーと違う点は、やはりベクトルが静に向かっている、ってことだろう。
メロディーが暴走することは無い。動脈よりは静脈に流れていくメロだ。ナマナマしさと美しさを併せ持つこのメロディー、相変わらず唯一無比だろう。

アメリカのロックは非常にシーンが分散化している感じがする。ハードなものはハード、実験的なものはとことん実験を極める、みたいな感じで、いわゆる「普通」のロックがあまり鳴りにくい状況のような気がする。でも、このアルバムは久々の正統派オルタナ・ロック・アルバムだと言えるだろう。
ペイヴメントダイナソーが活躍していたあの頃が懐かしい、というアナタは是非聴いてみて欲しい。絶対気に入るはずだ。