solid bond

never a dull moment

Paul Weller – Studio 150

04年発表。V2レーベル移籍第一弾はカバーアルバム。全英2位。アルバムタイトルはアムステルダムの録音スタジオ。


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前年の03年にレア曲やリミックス、B面曲で構成された3枚組コンピレーションアルバム「Fly on the Wall: B Sides & Rarities」が出ていて、ディスク3がまるごとカバー曲だった。こちらは「Feelin' Alright」「Black Sheep Boy」「Sexy Sadie」等、ビートルズや60〜70年代のクラシックロックの名曲が収められている。ベン・ハーパーの「Waiting On An Angel」なんてのもあって相当楽しめた。

 

シンプルに原曲をカバーしている「Fly on the Wall」と比較し、「studio150」は凝ったアレンジで丁寧に作られている。これがハマっているニール・ヤングの「Birds」ブルー・アイド・ソウルな「Wishing On A Star」ジル・スコット・ヘロン「the bottle」は素晴らしい出来。一方、カーペンターズの「Close To You」オアシスの「One Way Road」はひねりすぎて原曲の良さを消している。


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全体的にスタイルカウンシル的、フリーソウル的なのだが、前後の作品の文脈からするとどうも整理がつかない作品だ。当時のインタビューで「みんな意外に思うだろう、ビートルズスモール・フェイセズもフーもキンクスモータウンも入っていないからな」的な話をしているが、聴き手のウェラー像とちょっと違うというか。その後全くこの路線でやっていないし。

 

キャリア中最もクリーンでロック的ではない作品で、この方向で成熟していくのだと当時は思っていた。そっちに進んでほしかったかも。