solid bond

never a dull moment

paul maccartney / Chaos and Creation in the Backyard

Chaos & Creation in the Backyard

Chaos & Creation in the Backyard

僕みたいに、ビートルズで洋楽に目覚め、その後ブリットポップ以降の流れに飲み込まれた人間にとっては、まさに至高の一枚じゃないか。マッカートニーと、90年後半のUKを代表するプロデューサー、ナイジェル・ゴッドリッチが組んでるんだぜ!!

90年代以降、リアルタイムで聴いたマッカートニーの作品の中ではぶっちぎりで一番。ソロ作全体の中でも、アルバム一枚の完成度は、「band on the run」に次ぐ出来じゃないだろうか。

昔に比べ歌が上手じゃない、とか、ベースが歌ってないとか、全盛期(ビートルズ)と比べれば、そりゃ当然プースカいいたくなる所はある。しかし、「fine line」を初め素晴らしいメロディーは健在。ほとんどがポールによる演奏は、まるでリアップでも飲んでるかのようにやたらと精力的で、タイトで、かっこいい。ナイジェルによる小技アレンジとの絡みも最高だ。ナイジェル作品の中では、音的にはトラヴィスに近い。トラヴィスほど音を厚く重ねていないが。

60を越えた爺さんがこんな素晴らしいアルバムを作ってくることに驚愕する。同時に、若い才能のだめっぷりに切なくなる。中学の頃、初めてビートルズを聴いた頃のことは、今でもしっかり覚えている。その頃、ビートルズって100年ぐらい前のバンドで、新撰組と同世代ぐらいだと思っていた。アホだったな。しかし、その中の一員が、今も生きていてこうやって俺を感動させる。すげえなあ。良かった良かった。