solid bond

never a dull moment

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ルースター(期間限定)

ルースター(期間限定)

どんな音を鳴らせば時代の音になるか?なんて考えながらアルバムを作るのは、上の方の少数のアーティストだけでいい。若い血気盛んなバンドは自分の好きな音をただただ鳴らせばいい。それがすなわち時代の音になるから。

このアルバム、聴いてびびった。80年代そのものだ!!今の時代、「80年代」と聴くとかっこいい(?)ニューウェイヴな音をまずアタマに思い浮かべるが、このバンドは違う。ボン・ジョビやホワイト・スネイク、もちろんAC/DC、そしてガンズ!!80年代ハードロック、メタルのリバイバルなのである。数年前の僕ならこの手の音楽は完全に敬遠だった。しかし、フランツ以降泡のようにポコポコ出ては耳をすり抜けていくニューウェイヴロックの模倣に疲れ果てた耳には、かなりジャストに響くのだ。演歌のようなメロディが実に心地良い。思えば中学・高校時代は前述の80年代ハードロックバンドのCDを耳にタコができるぐらい聴いていたものだ。その後ニルヴァーナの洗礼・ブリットポップシニシズムに完全に染まった僕は、この手のハードロックと完全に手を切っていた。でも、肩肘はるのはもうそろそろ終わりにしよう。こういうベタなロックも大好きだ!昔はキャプテンワダやマサ伊藤のラジオを毎週聴いてたよ!!

ヴォーカルはデヴィッド・カヴァーデイルがアクセルの物真似をしている感じ。ギターはワウを多用し、ポールコゾフというよりはやはりリッチー・サンボラ。リズムは少し新しい部分もあるが、基本的には80年代産業ハードロック。オアシスやストーンズみたいなリフも飛び出す。中学生ロックの見本。こういうのもたまには有りだよ。UKのバンドみたいです。マジかよ。

で、最初の話に戻る。フランツやキラーズみたいなニューウェイヴの後って、やはり時代の廻り方からすると阿呆なハードロックが流行るんじゃないか。このバンドの音は、異端のように見えて、面倒なニューウェイヴに疲れた耳をジャストに捉えて正道になっちまう可能性もあるのでは。それはそれで困るけれど、時代が呼んだ音であるのは間違いない。