broken social scene / broken social scene

Broken Social Scene (Reis)

これが三枚目のアルバムになるらしい。注目を集めるカナダの大所帯ロックバンドだ。

柔らかくしなやかな音が幾層にも重ねられ、混沌とした塊になって届いてくる。快感。
ニュー・ウェイヴ、ローファイ、ギターポップ、ヴェルヴェットチルドレン、ポストロック・・・・。多重人格者が鳴らした感じ。全体としての感覚は非常にポップ。醒めた感覚に血のぬくもりが入ってようやく瞳孔が開く。音が作るヴァーチャルな空間の緻密さはフレイミング・リップスあたりと近い。幻覚の見過ぎで区別がつかなくなってしまい、それを音に表した感じだ。

また、やたらと音の選び方が上手。耳が相当優れている。ギャラクシー500やストーン・ローゼスの1STを思い出した。手作業ながらセンス溢れたサウンドになっている。

素晴らしい。このバンドやclap your hands say yeahあたりが醸し出している最近のシーンの雰囲気はとてもよい。60年代や70年代のロックがもってたいびつな感じがここにきてシーンに戻りつつある。大歓迎。