solid bond

never a dull moment

Universal Audio / The Delgados

Universal Audio

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グラスゴーシーンの雄。ケミカルアンダーグラウンドの主宰としても有名。これが5thアルバムとなる。前作は閉塞・偏執・狂気を感じさせる箱庭ポップの傑作だっただけにかなり期待をしていた。

業師デイヴ・フリッドマンの手を離れ、ポップの質はそのままだが、中から外へ、視線の行方がかわり、かなり雰囲気が変わった印象を受ける。フリッドマン独特の、繊細に壊れた音から、かなり抜けの良い耳に優しい音・アレンジに変わった。
やたらと病気がちだった文学少年が、強制的に部活を始めたらいきなり身長が伸びパワーアップしていき、あれやこれやと国体まで行ってしまった、という感じ。違和感バリバリ。もう少し同じ場所に居続けて欲しかったのは僕だけではないはず。バンドとしては真っ当な進化だと思うし一曲一曲の完成度は高まっているのだが。前作にあった稀有な感覚を完全に失ってしまっている感じがする。とても優れたポップ作品だと思うけど、それ以上のものが無い。かなり残念だ。