solid bond

never a dull moment

バタードッグの永積タカシのソロユニットのセカンドアルバム。相変わらず素晴らしい喉。力が非常に抜けた雰囲気、ひとつの世界をアルバムの中にしっかりと作っており、それを聴き手も充分に堪能できる。ヒッピー的なゆるさは聴き手を多少選ぶかもしれないが、この音楽を受け入れる時間は、一日の中で必ず15分は訪れると思う。

以前CSでやっていた「ムジカ」という番組に、永積タケシはレギュラーで出ていた。萩原健太と音楽談義をしていくのだが、あまりに薄っぺら・音楽知識の無さにビビったものだ。確信したのは、永積タケシという人間は努力以上に天才でここまでキャリアを築いてきたんだ、ということ。そして、その空白の多いポケットはまだまだどんどん吸収することができるのだろう。バター犬とは角度にして80度ほど違う音楽を、ホント見事に自分のものにしている。自分の声の良い所を、バタ犬から離れることで100%生かす方向に進んできている。

緩やかなアレンジは、聴かせ所を作らないことで日本的な予定調和から離れて、ストレス無く何度も聞ける。素朴な声を生かすために、全ての音が協力しあっている。いやらしさゼロ。欲の無さが逆にやりすぎかなあ、と思うこともあるが、凄くクオリティの高い邦楽アルバムだと思う。素晴らしいです。