solid bond

never a dull moment

フジロック2023

「コロナ明けのフルバージョンフジロック」と銘打たれた今年!昨年のフジロックがかなりがっかりな感じ(卒業を検討させるようなレベル)だったので、今年も駄目だったら来年は無いかなと思ってたが、各ステージの充実ぶり、導線や休憩所の整備により、フジロックの再生をがっちり感じることができた。要は相当楽しめた。天気が良かったってのが一番の要因かもだが。

家を6時半に出発して、道中で昼飯(やまいちや本店。950円のカツ重には蕎麦もついてきてコスパ最高だった。)を食べて12時過ぎに会場に入った。

ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA(feat. 奥田民生トータス松本土屋アンナ、Doul)

正直、それほど期待してなかったが、土屋アンナの常人離れした体格にびっくりした(頭小さい、胴体短い、手足は長い)。パフォーマンスも、やたら威勢がよく元気が出た。ブロンディのカバーが合ってたな。翌日は富士吉田のイベントに参加してて姐さん働きまくってる。

締めの曲はレッド・ツェッペリンの「ロックンロール」。奥田民生レス・ポールに持ち替えて「これでもか!」という勢いでガンガンコピーしてるの見たら、まるでジミー・ペイジが生き返ったみたい(亡くなってない)で面白かった。民夫はホントにロックが好きだな。ボーカルもほとんど民夫で、裏声を駆使しプラント節になっていて、まさに一人「ペイジ&プラント」。例の和田氏との絡みでちょっと民生離れしてたが、これだけロックが好きでエネルギーに満ち溢れた演奏を聴かせてもらえれば、再リスペクトせざるを得ない。またソロ作聴き直そう。

ちょうどド・ピーカンな時間帯でモッシュピットはクソ暑かった。終わって速攻ビール飲んだが、列の長さにびっくりした。ビールはほとんど待ち無し、ポカリスエットブースはそれより5倍以上長かった!ビール買ってるのはオッサンばっかりだった。若者の酒離れってやっぱり深刻なのかな?ノンアルでフェス(音楽)を楽しもうって雰囲気を感じた。

 

今年のフジロックが現金使えないって話だったが、この後通信異常が発生しキャッシュレス決済は最初のビールだけで終了。現金持っていて良かった。

THE BUDOS BAND

フィールド・オブ・ヘブンの司会、ジョージ・ウィルアムスも「最近よく聞いている」って言ってた、大編成のアフロ・サイケデリックバンド。大勢集まっていた。早々にブラスの迫力満点の音が鳴り響き、まるで悪役レスラーが登場するみたいな感じだった。アルバムよりも全然ライブの方が良い。生音の迫力に引き込まれた。暑苦しいフジロックにピッタリはまってた。途中で雨が降り出し、4曲ほどで切り上げた。

STUTS

雨が降ってきたので、アヴァロン隣のハンモックスペースへ逃げ込む。木がある程度雨をガードしてくれた。30分ぐらい、途中結構激しく降った。この日の雨はこれだけ。

で、雨上がりにホワイトに降りるとかなりのヒト。近くのヒトが「STUTSだから当然これぐらい混むわな」と話していたのでどんなもんかと覗いてみた。全然知らないアーティストで曲も分からなかったが、メロウな感じの音が雨上がりのホワイトにドンピシャ、もちろんホワイトだから音が素晴らしく、最高のステージになった。STUTSも面白いパーソナリティ。ラ・サール中高から東大という凄まじい学歴を持つMPCプレイヤー・トラックメーカーで、ゲームセンターあらしみたいにMPCのパッドを叩きまくるのが良かった。

kott

アヴァロンにて。GOMA山本精一と一緒にやっていたドラマーを中心としたエクスペリメントなジャズユニットで、凄く演奏が達者で迫力があった。「ぶっ壊れて再生」を繰り返す感じなんだが、上手いからぶっ壊れ方が半端なくかっこいい。演奏観た後spotifyで聴いてみたがちょっと違う感じだった。これは生で見るべきロックユニットだ。この後NPOビレッジ(?)が福島での甲状腺がんの実態について説明してくれた。原発の事故後、懸念されていたことが現実になっている。もっと世間で話題になるべき話だと思ったが・・・。

CORY HENRY

歌えるオルガン・キーボード奏者。コブシの利いた歌を中心とした、熱苦しい本格的なR&Bで良かった。もっと洗練された都会的なヤツかと思ってた。最後の曲は会場も巻き込んで大盛り上がり。俺も含めてヨ・ラ・テンゴ待ちも多かったと思うが、かなりオーディエンスが多かった。

YO LA TENGO

アイラとジェームズを中心とした、40年近いキャリアのベテランオルタナギターバンド。時間帯もよく、ヘブンにぎっしりヒトが集まった。夕暮れの雰囲気もバンドの音にあってて、開演前から良い感じになりそうな雰囲気が凄かった。90年代後半からのリスナーはヨラのキュートな部分を愛でているヒトが多いと思うが(俺も好きです)、オルタナギターロックのパイオニアのひとつであり、ヴェルヴェットのセカンドあたりの影響が最も強く、今回も冒頭からディストーションを聴かせたギターでアイラがガンガン飛ばしていった。ただ、全体的にはポップな感じになるから面白いし、それがここまで愛されている理由の一つだろう。とても良かった。移動もあって前半で切り上げたが、Autmn SweaterとかYou Can Have It Allあたりのみんなが聴きたいヤツもやったのかな?

DANIEL CAESAR

結構楽しみにしていたが、カラオケショーみたいだった。バンドもDJもいない、たった一人のセット。たまにギターの弾き語り。歌は上手かったがバイブスが足りない。こんなのトリ前に持ってくるなよ。

THE STROKES

06年フジ以来のストロークス。前回も観ているが、その年はレッチリが強力過ぎて全然印象が無い。

最初から飛ばしている感じのステージで、バンドの演奏にキレがあり、音も凄く良かったので「おお!」と思ったが、徐々にジュリアンが暴走。いつも以上に舐めた感じのダラダラした歌い回しになり、日本のオーディエンスの薄い反応に苛立ったか突如「silence!」とデカい声で叫んだり、1曲途中で打ち切ったり、「日本の野球選手で大谷は最高だ」と野球フリークをアピールしたり、等。やたらと不機嫌そうに見えた。こっちからしたらカネも払ってるし「なんだコイツ?」って感じで、中盤以降引いた。結成時から変わらないバンドメンバーは、演奏はキレキレだがサラリーマンのようだった。暴君とそれに使える部下って感じ。全体としては満足だが、次に来たとしても別にいいやって感じだ。日本を舐めるなジュリアン。

Ryoji Ikeda

グリーントリ後のレッドマーキー。たまたま入ったら凄いのやってた。モノクロな映像と暴力的な音がシンクロしたハード・コアな1時間。非常にストイックだった。俺にはナイン・インチ・ネイルズばりのインダストリアル・ロックに聴こえた。衝撃度では今回見た中でナンバーワンだな。やばかった。

Vegyn

Ryoji Ikedaの後だったためインパクトが薄かった。早々と切り上げサーカスへ。

Ålborg

ルーキーアゴーゴーでサーカスの前にやっていたんで観た。バンドの雰囲気がよく、カクバリズムっぽい。結構良い曲をやっていてブレイクすると思う。

SAKURA CIRCUS

久しぶりにサーカス復活!これこそフジロックという感じ。アクトを観終わって最後にサーカスとかルーキアクトを観終わって最後にサーカスとかルーキーアゴーゴーで軽く盛り上がって帰るってのが、マンネリだけどFUJI ROCKの最高の締め方。新しいパレスの位置に最初は違和感があったが、中にはいってしまえば関係ない。雰囲気最高で、フジロックの再生を実感した。

 

グソクムズ

サーカス後にチラッと観た。はっぴいえんどサニーデイ・サービスの流れの先端にいる感じか。アルバムの方が世界観を上手に見せてた感じはあるが、こちらもブレイクすると思う。

 

アクト以外の感想

・飯屋。今年は飯屋の列がどこも異常に長くて。これは決済サービスにトラブルがあった影響かもしれないけど。飯屋の数が減って、更に配置が悪いのが影響しているんじゃないかと思います。アヴァロンの、これまでだと混雑なんてまず無かった店ですら相当な列になっていた。まあ、俺はかなり前からフェス飯のコスパの悪さにうんざりしていて、会場内ではほとんど持ち込んだ栄養食しか食べてないからあまり影響無いけど。あ、酒は呑みまくり。上にも書いたがビールの列が短く、ソフトドリンクの列が相当長いのにはびっくりした。水を買う気がしなかった。会場内の水って飲んでも平気なのかな、あれをペットボトルに入れて呑むのでもいいんだけど。

やまいちや本店。フェス飯とは比べ物にならないコスパ。これで950円。

・YELLOW CLIFF。道の反対側が駐車場と日常そのままになっていて(今まではパレスだった)、なんか凄く殺風景。ここでメシ食いたくねえなって感じ。

・初日はトイレ待ちもほとんど無かった。

・ホワイトからヘブンへのボードウォーク、去年あたりは凄く地味でフジロックの停滞の影響を感じたが、今年は凄く良かった。フジロックに出演しその後亡くなったアクトの墓標みたいなのがあって。アベフトシは鮎川誠と並んでてほっこりした。エリオット・スミスもあったのが嬉しかった。墓標の後はスピリチャルな感じに飾られていて、さながら天国への道、といった感じだった。

・森のピアノ。ボードウォークの途中に「街かどピアノ」みたいな感じにピアノが置いてあって凄く静かで良い感じの空間になっていた。俺が通ったときは小さな子どもがひとりでピアノを演奏し始めて、多分意図して何かを弾いているわけではないんだろうが、凄くアンビエントな感じで周囲の空気が変わった。「72時間」のカメラクルーが撮影していたので、テレビに出るかも、俺も。

・車。朝6時半頃出発し、途中飯を食って、12時に駐車場に着いた。駐車代4000円。ガソリン代往復3000円。高速利用無し。別に5時間ぐらいの運転で疲れないし、来年もこれで行こうかと。帰りは眠くなる。そりゃそうだ、2時半に車に戻り車中泊、4時には明るくなって目覚めて出発しているのだから。安く休憩できるところを開拓したい(やっぱあの健康ランドかな?)。

・来年も「ルート17」でスタートし「サーカス」で締める感じにしたい。酒は19時まで。

・締めは韮崎市の「フレンズ」。開店と同時に。最高旨かった。