solid bond

never a dull moment

the band / the band

The Band

The Band

the bandの二枚目。初めて聴いてからかなりの年月が経って、ようやく好きになったアルバム。独特の雰囲気があり、慣れるまで相当な時間がかかった。アメリカ南部のくたびれた酒場、ホント映画とかに出てきてカウンターでウォッカとか頼んでしまいそうな所。そんな場所で一杯ひっかけていると、地元のバンドが出てきて徐に演奏が始まる。ヤジや歓声を受けながら洒脱に進む演奏・・・・。カナダ人4人とアメリカ人1人から構成されている。FACESもそうだが、憧れの対象を具体化する際には外からしっかりながめたほうが、そのエッセンスの美味しい部分を抽出してわかりやすく構成し表現できる。アメリカの様々な音楽の要素を取り入れながらも、それらが完全に噛み砕かれ、決してポップの枠を越えることなく上手くまとめられている。お手本のようなアルバム。

6曲目のWhispering Pinesが一番好きな曲。③や⑤あたりの代表曲は当然に素晴らしい。ドラムは前作より横ノリ感を強め、前へ進むのがバカらしくなるぐらいだ。跳ねる歌声やジャストに緩いギターの音が更にリズムに弾みを加える。

ただ、スリルが無い。予定されている場所にしっかり収まってしまう。演奏として有名な「ラスト・ワルツ」「ロイヤル・アルバート・ホール」で聴ける凄まじくダイナミックでパワーのある音が、アルバムのなかに表現できてないのが勿体無い。レイドバックな雰囲気と厚みにある非常にロック的な演奏ってのはスタジオで共存させるのは難しいことだと思うけれど。