solid bond

never a dull moment

  • Jet / Get Born

ロックンロールの復権が叫ばれて久しいけれど、良いバンド・ダメバンドの差が激しいような気がする。雑誌で「パンクっぽい」っていう形容詞がついているとボロクソバンドである可能性が多い。Lで始まるバンドとか。

オーストラリア出身のJET。復権したロックンロールの恩恵をバリバリに浴びる、素晴らしいバンドだ。パンク以上に、旧来からのクラシカルなロックの影響が強く、力強いビートとリフ、そしてバラードでは卓越したソングライティングで泣かす。VINESの基礎体力を1.2倍にし、繊細さを薄めたような感じだ。VINESもそうだけれど、多少なりとも見え隠れするのはガンズの影。しかし、それが大袈裟なほうへ流れず、先祖への愛として伝わってくるのが素晴らしい。

「JET」と聞いて何を思い浮かべる?ポール・マッカートニーを思い浮かべるヒトが多いだろうが、僕は河井武士を思い出した。わかるだろうか?車田正美の傑作マンガ「リングにかけろ」のキャラクターです。天才ピアニストのくせにボクサーで、凄まじいアッパーを持っていて、その必殺アッパーの名前が「ジェット・アッパー」。必殺ワザを繰り出すたびに「JET!」の文字が躍るんです。
こじつけだけど、このバンドの歌の力も、河井武士のジェットアッパーのようにガーって持ち上げられる感じだ。バラードでは気品を感じさせるあたりもまるで河井武士。JET、阿修羅一族のボスとなったように、オーストラリアのロックンロールのキングとなってくれ!!

ホント、良いアルバムです。