solid bond

never a dull moment

僕はこのユニットについて、イギリス出身の二人組、ってぐらいしか知らないし、発売してから聴くまで半年以上経ってるわけで、全くノーマークだった。しかし、耳は広く、心も広くだね。今頃聴いてメルマガを出すのが恥ずかしいぐらいの素晴らしいアルバムです。
音楽的には、ごった煮、という印象を持った。もっとダンス的なものなのかと思ったら完全な肩透かしを食らった。どちらかというと、USのフレイミングリップスやマーキュリーといった「桃源郷ロック」系の、聴いてて気持ちがよくなる感じの音楽だ。もっともサウンド的にはヴェガスはもっと電子的ではあるが。とにかく全編通して不快な音がなる瞬間はほとんどない。アジア系(というか日本)の雰囲気の曲もあり(ビデオクリップも日本が舞台だった)かなり広範囲の音楽を吸収し、消化している。

ウェラーやリアムも登場する。リアムの曲は正直たいした事はないが、ウェラーの曲が非常にかっこいい。ウェラーファンはこれを聴くためだけに買ってもいいだろう。最新アルバムのシングル曲にも通じる「新しいウェラー」で、しかし、それでいてそのまんまのウェラーである。サウンドとウェラーの声ははっきり分離してしまっているのだが、その温度感の違いが楽しい。

女声の曲にはフェチ的なものを感じた。レンタルズのCD並に変態的な女声の使い方だ。でも、それが嫌味やくどくどしさには繋がらず、世界観を作ることに貢献している。巧い。ホント上手。マイブラからの影響も強そうだ。

日常の狂気と癒しを同時に感じられるアルバム。凄い。