solid bond

never a dull moment

Duper Sessions / Sondre Lerche

Duper Sessions

Duper Sessions

ノルウェーの早熟の天才ソンドレ・ラルケ。この作品は、ベースがジャスとなっているが、これまでの音楽性と大きな違いは無い。逆に音が整理されて聴き易いアルバムになったと思う。チェット・ベイカーやプリファブ・スプラウトなどカバー曲も秀逸。しっかり自分のサウンドに消化しているあたりは流石だ。陽性に溢れた雰囲気と「なんちゃってジャズ」の感覚が、小沢健二の「球体」を思い出させたりして。
春の陽だまりのような柔らかく優しい音になっている。ぼんやり時間を楽しむときにはもってこいのサウンドだと思う。ジャズならではの緊張感とか切迫感は皆無で、ロック的な要素も無い。訴える方向は限られているかもしれないし、年齢とギャップのある音楽をやっているのかもしれないが、このトボけた雰囲気は簡単には出せない。「ソンドレ・ラルケ」というオリジナルのブランドをしっかり作り出している。今の若手で、これだけ独自色を色濃くしているアーティストは珍しい。楽しめる。