solid bond

never a dull moment


グラスゴー出身バンド。ティーンネイジのメンバーらとReindeer Sectionとして来日したこともある。そこから想像できるように美メロ連発。しかし、音のテイストがいわゆるティーンネイジ一派とは若干異なる。ダヴズやエレクトリック・ソフト・パレードに近い、湿った感じのギターサウンドで、非常に緊張感がある。

ノイジーなギターの音と、チープなリフ、下を向いて歌ってそうな生々しく人間ぽい生活感に溢れた歌声は、とても90年代的であり、僕なんかはノスタルジーまで感じてしまった。よく出来ていて非の打ち所は無い。こういう完成度の高いアルバムに対しては、「新しさが無い」「破綻がなくてロック的ではない」というような批判が集まりやすい。確かにそうかもしれない。新しさやロック的な破綻はほとんど無い。でも、ここまで美しいメロディーと作りこまれた繊細なギターサウンドに、そんなものが必要だろうか?要らないね。最高に美しく素晴らしいアルバムだと思う。
ギターロックは、確かにここ数年ずっと同じことばかり繰り返しているかもしれないが、こういう良いアルバムを聴くと、まだまだ付き合ってもいいよなあ、と思う。この種のジャンルでは間違いなく最高峰にあるアルバムだ。

走り続けてばかりではいられない。日常には必ず自分のペースで歩く時間がある。そういう瞬間に鳴るべき音。