5連勝。この数字が持つ意味は、単なる勝ち点の積み上げ以上に重い。今日のFC岐阜戦は、ヴァンフォーレ甲府というチームがいかに「勝負強さ」という確信を手にしつつあるかを証明する、極めてタフな90分だった。
立ち上がりの20分、甲府は完全にゲームを支配していた。前線からのプレスは面白いようにはまり、岐阜を自陣に釘付けにする。正直、今日はこのまま点差が開くのではないか、そんな予感さえ漂っていた。しかし、風向きの変化か、あるいは岐阜の修正か。流れは反転し、泉澤や荒木を中心とした岐阜の両サイドに押し込まれる時間が続く。
ここでチームを救ったのは、間違いなく守護神・河田だ。J2最強と言っても過言ではない、あの神がかり的なセーブ。決定的なシーンを何度も未然に防ぎ、3点は損をせずに済んだ印象がある。今日のMVPを選ぶなら、迷わず河田の名を挙げる。そして、スリーバックの中央で「潰し」役に徹した福井。右のエンピカや左の河田に不安定な場面が見られたとしても、福井が補って余りある働き。そして河田が最後線で立ちはだかる。井上も復帰しているが、真ん中の福井は変えない方が良い。
劣勢の時間帯を耐え抜き、一瞬の隙を突く。62分、その時が来た。藤井が放ったシュート性の鋭いボール。あの中途半端な高さの難しいボールを、内藤大和は完璧なコントロールで自分のエリアに落とし、冷静に仕留めた。これこそストライカーの感性。理屈ではない、ゴールへの最短距離を知っている者にしかできないプレイだった。
得点直後、内藤に代わって投入された太田龍之介の存在感も際立っていた。前節に続く出場となったが、競り合いに強さを発揮した。内藤が「鋭さ」なら、太田は「強さ」だ。前線でしっかりと体を張り、マイボールにする技術。シュートまで持ち込むシーンこそ少なかったものの、ターゲットマンとしての力は十分に感じられた。
中盤では、安田と武井の役割分担がより明確になってきた印象。コジが積極的に前へ出てボールを奪い、武井がさばいてゲームを作る。このコンビの安定感があるからこそ、サイドの選手たちが高い位置をとれる。ただ、左サイドに関しては、やはり荒木翔の不在は大きかった。ラインを崩す動きがほとんど無かった。岩魚の制度の高いボールをもう少し見たかったな。
交代で入る水野や平塚がチームに活力を与え、チーム全体にポジティブな競争意識が充満している。かつての「守って守って、ワンチャンスを待つ」という我慢のサッカーではない。耐えるときは耐えつつ、自分たちのリズムを主体的に作る今のスタイル、こののまま成熟させていってほしい。
次節はいわき戦。この爽やかで、かつ攻撃的なフットボールが、小瀬でさらなる進化を遂げるのか。内藤大和の咆哮が再びスタジアムに響き渡ることを期待。