solid bond

never a dull moment

佐野元春とピンク・フロイドについての雑談

ロックの詩について。
佐野元春の「ワイルド・ハーツ(冒険者たち)」は、高校時代に深く心に響いた楽曲だ。その歌詞の熱情が胸を貫いた。「全てのなぜに いつでも 答えを求めてたあの頃 いつか自由になれる日を あてもなく 夢見てた」という大サビ。
夕暮れ時、車で走行中にラジオからこの曲が流れると、胸が高鳴った。佐野の詩は、日常の情景から大きな感情へと聴く者を導く力がある。
 
佐野の楽曲で他に印象的なのは、「ジャスミンガール」だ。1991年のアルバム「タイム・アウト!」に収録されたこの曲は、最初は特に意識しなかったが、次第に心に染み渡った。「昨日、夕暮れの街の中で君を見かけた」という冒頭のフレーズは、都会の一角で不意に心が揺れる瞬間を切り取っている。
佐野のボーカルは、マシンガンのように言葉をたたみかける一方で、詩人のような繊細さも持ち合わせている。聴き込むほどにその魅力に気づかされる。「タイム・アウト!」のアレンジや演奏はエッジが効いており、佐野のアルバムの中で特にお気に入りの一枚だ。

洋楽の詩では、ピンク・フロイドの「If」が特に深い。ロジャー・ウォーターズシド・バレットを思って書いたとされる歌詞、「If I were a swan, I’d be gone」からは、切なさと自由への強い憧れが伝わり、心を震わせる。
洋楽の歌詞は英語の壁があるため、理解しにくいが、渋谷陽一の解説がその壁を取り払ってくれた。70年代の『ロッキング・オン』誌で「If」の詩が熱く解説されており、大学時代にその文章を読んで感銘を受けた。00年代の詩特集でも渋谷はピンク・フロイドを取り上げ、ロックの魂を深く伝える筆力は圧倒的だった。
渋谷陽一の功績は、日本のロックシーンにおいて計り知れない。洋楽の詩の深さを分かりやすく、情熱的に伝えることで、多くの人々をロックの世界へと引き込んだ。
誕生日、おめでとう。