solid bond

never a dull moment

Velvet Crush – Teenage Symphonies To God(1994)

94年リリースのセカンドアルバム。

タイトルからしブライアン・ウィルソンを意識したもので、内容もまさにビーチボーイズやバーズ、ストーンズといった60年代のロック黄金期へのオマージュに満ちているレーベルは当時オアシスやプライマル・スクリームも所属していたクリエイション・レコーズ。

プロデュースはミッチ・イースター。やや後ろ向きなリンゴ・スター系の思春期メガネ的なドラムと、ブルース色を感じさせないパワーコード中心のギター、その上に、甘く伸びやかなボーカルと、いかにもアメリカ的なストレートなコーラスワークが載っかる。全体に漂う瑞々しさは、90年代ならではで、ギターポップの名盤と呼ばれるのにふさわしい。音像は柔らかめで、どこか牧歌的だ。

メロディーは練り込まれていて、表層の軽やかさとは裏腹にどれも強度が高い。「Hold Me Up」や「Atmosphere」など、甘さと切なさのバランス感覚が絶妙。とにかくどの曲も粒揃いで、アルバムを通して聴いてもだれない。過剰に装飾するでもなく、かといって荒っぽくはない。

当時のオルタナティヴ全盛の流れとは一線を画すこの作品が高く評価されたのは、思春期独特の甘さを、プロダクションの緩さを含めて表現できたからだと思う。多分意図的では無く。

タイトルの「神に捧げる十代のシンフォニー」というより、天から捧げられた幸運づくしの傑作。