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「マジカル・ミステリー・ツアー」は名曲揃いの逸品だ!!

ビートルズのアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』について考えた。ホワイト・アルバムのひとつ前、テレビ番組用のサントラとシングルの寄せ集めという位置づけ。編集盤扱いのせいで、かなり損している作品だ。

中身を見れば、ビートルズの代表曲がズラリと並んでいる。『Strawberry Fields Forever』、『Penny Lane』、『Hello, Goodbye』、さらに『Baby, You’re a Rich Man』や『All You Need Is Love』まで入っている。曲単位で見れば、もしかするとビートルズの中でもトップクラスのクオリティだろう。これだけ名曲が詰まったアルバムは、そうそうない。90年代にオアシスがカバーして話題になった『I Am the Walrus』も入っているし、バラエティ豊かな1枚だ。

このアルバムが評価を落としているポイントは2つ。ひとつは編集盤という位置づけ、もうひとつはタイトル曲『Magical Mystery Tour』自体の弱さ。正直、サージェント・ペッパーズの出来損ないみたいな曲で、アルバム全体の印象を相当落としている。もしこの2点がなければ、ビートルズの作品の中でも際立った1枚になっていたはずだ。

それにしても、この頃のビートルズはオリジナリティに溢れていた。ホワイト・アルバム以降になると、ビートルズは何かのパロディやオマージュに傾いていく印象がある。例えば『Let It Be』はザ・バンドの影響が見え隠れしているし、『Abbey Road』にもチャックベリーとか元ネタがはっきりしている曲がいくつかある。映画『Get Back』を見ると、フリートウッドマックの曲をいじってる場面なんかも出てくるし、この時期は「何かを元にして作った曲」が増えていった感じだ。

『マジカル・ミステリー・ツアー』の頃は、まだはっきりとした模倣感はなく、ビートルズ独自の創造性が光っていた。前期ビートルズが勢いとパンク的な疾走感がキモだとすれば、中期ビートルズは才能の爆発期。その中でも、このアルバムはもっと評価されていいはずだ。編集盤扱いのせいで軽視されがちだけど、実はビートルズの中でも相当に中身の濃い作品だ。