solid bond

never a dull moment

ホワイトアルバムがわからない。

ビートルズを聴き始めて、もう40年近く経つ。最近のビートルズ10では「Dear Prudence」や「Bungalow Bill」が上位に食い込んできたり、ホワイトアルバムの曲がチャートを席巻している。俺は未だにホワイト・アルバムだけはどうしても馴染めない。聴き始めた頃からずっと変わらない。

 


俺がビートルズを聞き始めた90年前後は、「バンドとしての一体感がない」「ソロの寄せ集め」「完成度のムラが激しい」といった具合で、冷めた評価が一般的だった。その影響と、2枚組で高かったことで、ビートルズのアルバムの中でも後回しだった。最後に手に入れたのはホワイト・アルバムとイエロー・サブマリンだった。あの頃は「いつかこのアルバムの良さがわかる時が来るんだろう」と、漠然と考えていた。

 


2000年代に入ってメディア筋でホワイト・アルバムの再評価が進んだ。自分は相変わらずだ。1曲1曲の完成度がどこか中途半端で、バンドとしての熱量も感じられない。ジョン・レノンの曲は特に、本気で作っているのか疑いたくなるものが多かった。『Revolution 9』なんか、いまだにまともに聴けたためしがない。あれをビートルズ名義で出す必要があったのか?と今でも首をかしげたり。『Julia』は悪くはないけど、どこか不完全燃焼。

 


ポール・マッカートニーもいまいち。バンドの中でこそ輝くタイプなので、このアルバムみたいに独りになると、自分の作品を客観的に見られない。『Birthday』なんか、もっとキレのある感じに仕上げられたはずだし、『I Will』もその後のフォーク軽の曲に比べたら平凡だ。アルバムのラストのリンゴ・スターが歌う『Good Night』は、歌は良いが曲が模倣の域を超えていない。

 


そんな中で、唯一気を吐いていたのがジョージ・ハリスンだ。『While My Guitar Gently Weeps』はエリック・クラプトンの力を借りて、アルバムの中でも出色の出来だ。『Long Long Long』も時間が経つほどに味わいを増してくる。この辺りからジョージは「自分にもやれる」という自信をつけ始めていたんじゃないかと思う。

 


それでも、アルバム全体を通して感じるのは「雑多さ」だ。90年代のオルタナ・ギターロックバンドに影響を与えたのは間違いないだろうが、当時のビートルズとしては「とりあえず詰め込みました」感が拭えない。

個人的にオリジナル・アルバムをランク付けするなら、最下位は『Yellow Submarine』で、そのすぐ上がホワイト・アルバム。そこは今でも変わらない。

 


「ホワイト・アルバムの何がそんなにいいのか、ちゃんと説明してほしい」と思うことがある。通ぶって一番ポップで無く完成度の低いカテゴリーしにくいアルバムを評論家筋が挙げているような気がしてならない。

 


好きなアルバムを挙げるなら、迷わず『Sgt. Pepper’s』、『Revolver』、『Rubber Soul』のどれか。続いて『Abbey Road』、『Help!』、『With the Beatles』といったところだ。ホワイト・アルバムはやっぱり自分には響かない。40年聴いても好きになれないなら、それがきっと、自分の中での答えなのだろう。