solid bond

never a dull moment

今から30年前が95年、その30年前が65年。

大学生だった95年に、ビートルズを「昔のバンド」として聴いていた。当時30年前の音楽だった。そして今や慣れ親しんだ90年代の音楽も30年ものの存在になった。この間notesに記事を書いたradioheadの「The Bends」が発表されて30年だ。

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聴いた当時の感覚は鮮明に残っているが、今や間違いなくロックの歴史の一部だ。

1995年の30年前は1965年。ビートルズボブ・ディランが音楽シーンを塗り替えていた時代で、その頃の音楽は圧倒的なクラシックとして扱われていた。同じ時間の経過を考えると、The Bendsもすでに「昔の音楽」として分類されるのが正解だ。

ギターロックはもはやメインストリームにはいない。BBC Radio 1や米チャートを見ても、ロックが取り上げられる機会はほとんどない。ギターサウンドを取り入れたユニットはあっても、90年代のようなバンドサウンドはほぼ絶滅している。ロックバンドを志す若者が減り、バンド文化そのものが衰退した。The Bendsを聴いて「バンドをやりたい」と思った俺らの「あの頃(布袋寅泰風)」は、すでに過去のものになった。そりゃそうだ。

1995年の時点で、クラシックとされていたロックアルバムは誰が聴いても分かりやすいものが多かった。ビートルズローリング・ストーンズレッド・ツェッペリンピンク・フロイド。どれもシンプルなコード進行と強いメロディを持ち、初めて聴いた人でもすぐに魅力が理解できる音楽だ。対してレディオヘッドは、The Bendsを経てOK Computer、Kid Aと進化し、より抽象的で難解な音楽へ向かっていった。クラシックとされるロックがわかりやすいのに対し、後期レディオヘッドは簡単に飲み込める音楽ではなくなった。

ギターロックの進化には限界があったのかもしれない。コード進行やメロディの組み合わせには無限の可能性があるとはいえ、曲の骨格において、新鮮かつ大衆性をもった音楽を生み出すことは難しい。だからこそ、近年の音楽は従来の枠組みから逸脱し、リズムや低音重視の方向へと向かっている。

95年に60年代の音楽を聴いて感動し、一方で2025年の今も最新の音楽にかっこよさを感じることができる。気づけば60年分の音楽を楽しんできた。ロック的に考えると良い時代に生まれたと思う。