solid bond

never a dull moment

アメリカングラフティ。輝く瞬間を切り取った青春映画。

アメリカン・グラフィティ』を午前十時の映画祭で観てきた。大学生の頃に観た記憶があるが、久しぶりで話はほとんど忘れてた。やっぱり名作。面白かった。


話はシンプルで、街を離れることになった仲間たちが、ダンスパーティーに行ったり、車を飛ばしたり、一晩中バカ騒ぎする青春映画。ただ、それだけでは終わらない。ベトナム戦争や人生の儚さが最後に突きつけられて、現実に引き戻される。この落差がすごい。ルーカスらしい脚本だし、何気にフランシス・フォード・コッポラがプロデューサーだったりする。。スター・ウォーズでおなじみのハリソン・フォードが出ていたり、後に活躍する俳優たちが顔を出していたりと、ネタ的要素も多い。


音楽の使い方もやはり最高だった。ウルフマン・ジャックがオールディーズがずっと流していて、映画全体の雰囲気を作っている。音楽がなかったら、ここまで魅力的な作品にはならなかったはず。ウルフマン・ジャック自身が登場するのも熱い。10数年前に彼のラジオ番組が日本でも再放送されていたことがあったけど、またどこかで流してくれないだろうか。そんなことを思いながら観ていた。


映画のラストで「この後、登場人物たちがどうなったか」がテキストで表示される演出も秀逸だった。輝かしい青春の一夜を切り取って見せた後に、現実が待っていることを突きつけてくる。このスッキリしない終わり方が、この映画の深みを増している。さすがルーカス。


登場人物の中では、ジョン・ミルナーがやっぱり一番”アメリカ”を体現しているキャラだなと感じた。喧嘩も強いし、車も飛ばすし、態度もクール。だけど、最終的には悲劇的な結末を迎える。この展開が胸にくる。おちゃらけたキャラが最後に報われないというのは、青春映画の定番ではあるけど、この映画では特に印象が強い。脚本の作りが上手くて、最後に現実に引き戻される感じが妙にリアルだった。


映画を観終わって、無性にオールディーズが聴きたくなった。今日は山下達郎か宮治淳一のラジオをリアルタイムで聴こうかな、なんて思ったり。

ラジオをつければ音楽が流れてくるあの感覚、ワクワク感が、まさにこの映画の世界とつながっている気がする。金曜の夜、仕事終わりにラジオをつけたら、ジョージ・ウィリアムズがオアシスを流している、みたいな。そんなラジオの文化って、やっぱり大事だよなと改めて思った。


この映画が描いているのは、人生の中の”輝ける瞬間切り取ったもの。前後のの人生には陽もあれば、陰もある。だからこそ、輝く瞬間がどれほど大切だったのかが際立つ。

映画に出てくる登場人物たちはみんなキラキラしている。でも、それは一瞬の輝きでしかなく、人生にはヘビーな時間もある。その対比が、この映画をより味わい深いものにしている。


映画館を出るとき、いろいろ考えた。自分の生活でも、輝く瞬間を大事にしようと思った。