
2024年発表。66歳の誕生日の直前にリリースされた。
レコーディングは3年の長期に亘り、ノエル・ギャラガー、ボビー・ギレスピー等大物から、ベンゴルデリア、ハンナ・ピールら常連ら多くのミュージシャンが参加。曲調も、近作のウェラースタイルであるエレクトリックとロックの融合的な曲、中期を彷彿とさせるクラシックなロック、ストリングスが入った流暢な曲と多彩だ。一方で少し散漫な印象も受ける。
プロデュースはほとんどの曲でポール・ウェラー自らが担当。新しい挑戦は無いものの、アレンジ、プロダクション面で、完成度の高い作品になっている。英語がよくわからない俺にはあまり関係ないが、歌詞の大部分はノエル、ボビー、サッグスら第三者が書いているのもアルバムの特徴と言える。多分、歌詞を書くのが面倒になってきたのだろう。
①Ship Of Foolsは優しい音使いの年齢相応な佳曲。穏やか立ち上がりが新鮮、フルートが良い味を出している。
https://youtu.be/srYaVR6JEAs?si=RRMBfbFnVr8WybPy
②Flying Fishは2010年代以降のエレクトリックとアコースティックの融合路線を貫いたポップな曲。ウェラーらしいメロディが印象的な曲だ。フランスのル・シュペールオマールとの共作。④Nothingは落ち着いた感じのオトナな曲。アレンジが凝っており嫌味な感じになっていないのが良い。⑥Rise Up Singingはブロウモンキーズのドクターロバートとのコラボで、ストリングスやブラスが入りゴージャスな感じのサウンドになっている。アルバムの折り返しには最適な曲。⑦I Woke Upウェラーのダンディな「I Woke Up」という歌い出しがかっこいい、アルバムを代表する曲。アンナ・ピールのシンプルなストリングスと後半に効果的に加わるスライドギターがかっこいい。「Soul Wandering」ウェラーの歌とギターがロックなボビー・ギレスピーとの共作。
ジャケットはビートルズの「Sgt. Pepper’s」やウェラーのスタンリーロードで有名なイギリスの大御所デザイナーのピーター・ブレイク。アナログで欲しくなる素晴らしいアートワークだ。アルバムの内容はあまりビートルズっぽく無いけど。
「単純に楽しんでもらえたら。それで十分だよ」とのウェラーの言葉が象徴的な自然体のアルバムだ。66を迎えてもウェラーは元気だ。