solid bond

never a dull moment

Oasis/ dig out your soul 

f:id:offsidedrug:20220326065153j:plain


2008年に発表されたOASISの現時点(2022年)におけるラストアルバム。


1ST、2NDと傑作をブチ込んだギャラガー軍団が、その後ボロボロになっていまいちなアルバムを連発する姿は正直リアルタイムリスナーとしてキツかったが、突如として傑作をドロップしてきた。そして、別れた。

プロデュースは前作に引き続きデイヴ・サーディ。ひとつひとつの音の輪郭をはっきりさせパワフルなサウンドを作るプロデューサーだ。JETやスリルズ、ミキサーとしてLCDサウンドシステム等を手掛けている。OASIS解散後も、ノエルと何度か仕事をしておりウマがあったと思われる。

ノイ!を彷彿とさせるハンマービートっぽい直線的なリズムがカッコよく、シングルカットされたM4M5M7は特にクール。

高音が出なくなったリアムの音域を把握し、歌い上げるサビではなく、フックとフレーズの繰り返しでメロディーを構成したノエルの職人芸が冴えまくっている。

アルバム全体として非常に瞳孔がガツンと開く系のサイケ(雰囲気はリボルヴァー)なのだが、UKロックにありがちな、ダラダラとゆるいフレーズが続く「雰囲気サイケ」ではなく(これを代表するのがスミスの「how soon is now?」。OASISだと3作目)、パンチのあるはっきりしたサイケになっているのが素晴らしい。

オアシスの中で3番目に好きな作品。

uk1位、us5位とチャート上でも成功。凄く良いアルバムだっただけに、解散が本当に残念。この路線の続きが聴きたかった。