solid bond

never a dull moment

フジロック2011

土曜日に水戸で結婚披露宴に出席したため、苗場についたのは夜7時頃。会場の雰囲気はすっかり出来上がっている感じだったが、自分の体調も良く、いい感じで入り込めた。
苗場に来るまでげんなりするような豪雨のニュースを何度も見てきたので、ほんとに大丈夫?という感じだったが、足場こそ緩いものの雨は降っておらず、空気はさわやかだった。
グリーンに入るとスカパラが演奏を開始。いつも通りの演奏・・・。ムラタと合流しHMVのブースで酒を飲む。岩手でのボランティアの話とか金曜日は相当雨がきつかった話とか聴きながら酒を飲みプハーっと一服。普段はタバコを吸わないが、フェスとかでは吸っている。美味いなあシガレッツ&アルコール。
スカパラがはけるとグリーンは人が減る・・・。今年の土曜のトリはFACES。それもロッド無し。まさか、だ。俺は相当なsmall faces〜faces好きだけど、トリはねえよなあと思った。ロッドの替え玉はシンプリーレッドのヴォーカル・・・。更にロニー・レインの代役にはピストルズだ。おいおい。モッズの心はどこへ?
いろいろ考えずに音を聴くと、ケニーとイアンのスモール・フェイセズ組を中心にダルだがしっかりと音を鳴らし、その上でロニーが手を抜きつつ自由にやっていて、良かった。楽しかった。ヴォーカルもルックスとかステージアクションとかヤバかったが、歌は良かったと思う。今のロッドが同じように歌うのはムリだろう。ウラーラーを早めに披露し会場がほとんど歌えなかったときはヤベえと思ったが、まさかのポール・マッカートニーの名カバー「maybe I'm amazed」が飛び出したあたりから俺は周囲なんかどうでもよくなり、単純にバンドの音を楽しめるようになった。ロニーのソロも熱があったな。そしてアンコール・・・。「スティーヴマリオット!!」という名前が飛び出したのでまさかと思ったがケニーとイアンの意地か、スモールフェイセズの曲が飛び出す!!tin soldierとall or nothing・・・。この選曲がまた・・・。ただ視覚的にtin soldierをやるにはヴォーカリストが・・・とも思ったが。all or nothingはここまで演奏したどの曲よりも有名だったようで、ようやく合唱が起きた。「パッパパパラ」のときは永沼大助の姿が頭に浮かんだ・・・。そして締めはやはりこの曲「stay with me」。大盛り上がり。レコードよりずっとかっこいい。最高だよ元顔役。しかしヴォーカリストさえ別だったらもっと・・・との思いは捨てれなかったな最後まで。これがウェラーとかステレオフォニックスのケリーだったら・・・。
フェイセズ終了後バスで帰る。待たずにすぐ乗れた。いいね。毎年このぐらいでいい。経営的にはヤバいだろうが・・・。湯沢に戻り去年に引き続きどさんこへ。ムラタはブーブー言っているが、フェスメシの真実(あまり美味くない&高い)事に気づいた今、俺にとってフジメシといえばここである。今年もまずはミソラーメンをがっつり。美味いよ俺には。餃子もうまい。ビールもやはり瓶ビールが最高。大瓶550円だし。来年もムラタがなんと言おうと締めはここだ。旅館はホテルニューオータニ。8人部屋。特に不満は無い。風呂は最高だった。朝飯も美味い。新聞ももらえるしタオルもある。足のマッサージ器は無料だ。最高である。
二日目。メシ食ったり風呂に入ってるとすぐに10時ぐらいになった。外は大雨。10時ぐらいには出発するつもりでいたが、既に俺らもフジのベテランの域に入っており、篠塚ばりのバットコントロールで「とどまることの勇気」を選択。雨が止むまでホテルで待った。この間に隣の布団に寝ていた22歳ぐらいの巨漢力士清水君と仲良くなった。
さて1時過ぎにグリーン到着。キルズを見る。かっこいいけど打ち込みのロックはどうもいまいち心に響かず。グルーヴの渦を求めダチャンボに向かうがボードウォークがまさかの大渋滞。これってダチャンボ渋滞?ヘブンは混んでいた。ダチャンボは相変わらずの演奏。サルビアボリビアが飛び出してうぜえなあと思ってしまった。これ良い曲ではないだろ?なぜいつもやるんだろう。俺はイマイチだったがヘブンは盛り上がったし人も多かったので次はランクアップしてホワイトやグリーンで大衆と勝負してもいいような気がする。
グリーンに戻りモグワイ。ヤバ過ぎ。過去、朝霧でモグワイを見たときもライブでしか感じられないガーっとくるものを感じたが、今回もきた。シチュエーションも良かった。カンカンの日照りでは正直ミスマッチだったが、雲は厚く薄暗く、微妙に雨が舞う天気。一曲一曲演奏がしっかりしていて、バンドがやろうとしていることにブレが無い。曲名はよくわからんが中盤のギターが美しいスロウナンバーは、日本への鎮魂歌のように聴こえた。いろんな意味できつかった3.11以降を思い、俺も目頭が熱くなったが回りもめがねを外して涙をぬぐう人が何人かいた。とにかくナマモグワイはヤバい。
モグワイ終了後、BIGJOBへの長い旅を経て、YMO。フュージョンっぽい演奏で、興奮するような音楽ではなかったが、かっこよかった。ウタがいまいち。そのくせけっこうウタモノをやっていた。やっぱライディーンが一番良かった。小山田君のギターが良いアクセントになっていた。「テクノ」らしさは皆無だった。3人の中では細野氏のベースが飛びぬけてた感じがした。音もでかかったし。
YMO終了後、ホワイトへ。ホワイトはCAKEが演奏中だった。すげえピースフルでユルい演奏。日曜の夜のわびしさをふっとばす楽しさがあった。すげえいいなあ、アメリカやっぱいいなあ、と思った。ただ、次のバンドはもっとずっと良かったため、CAKEの印象は薄れた感じがする。
今年の俺のフジロックの締めは去年せっかく首都圏にいたにもかかわらず見に行かなかったWILCO。雪辱を晴らすべく気合を入れてライブにのぞんだ。
最初は音を合わせるようにそれほど上げない曲が続いた。じょじょに演奏もオーディエンスも熱が入ってくる。アコギの弾き語りに雷のようなドラムが鳴り響いた頃に、バンドも客もフルにアガってきて、いい感じになってきた。名曲Jesus Etc.やHeavy Metal Drummerで会場は多いに盛り上がる。後でムラタと話をしたが、一時ポストロックな音作りで話題になったけど、このバンドはライブバンドなんだ。ピントを合わせてガーっとくるギターや猛烈なアタック感が気持ちよかったドラムの音、左右のギタリストのアクションとしっかりバンドを支えるベースとボーカル。まあとにかくボーカルですよ。カート亡き後のXジェネレーション声とか何も無いことを声で表現するヴォーカリストとかいろいろ言われたが素晴らしい声だと思う。存在感すげえ。とにかくウィルコは最高でした。バンドサウンド最高。
グリーンで軽くミュージックを見てたら村田とはぐれたが文明の利器携帯電話のおかげで再開し、ズーシミと3人で帰りにまた俺らの酒場「どさんこ」で締めのラーメンとビア。俺はカレーラーメンを喰らい、ムラタは「別にうまくねえ」とシャウト。しかしほとんどのフェス飯よりずっと美味い。
渋谷に会えなかったのが無念。とにかく今年は最高でした。中年になって、余裕を持ってフジロックを楽しむことが大事だと痛感。来年も体力と仕事をうまく調整してフジに参加したいと思う。