solid bond

never a dull moment

90年代の25枚

レコードコレクターズの25周年企画に便乗。ここ4週間ぐらい熟考した。何が出ていたか思い出すのだけでも結構大変だった。リストを作って抽出していったんだけど、時間がかかった割には普通の25枚になった気がする。絶対外せない!ってのが残った。そしたら王道になった。(やや)順不同。

MODERN LIFE IS RUBBISH

MODERN LIFE IS RUBBISH

  • アーティスト:BLUR
  • Food
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「フォー・トゥモロウ」にやられた。こじゃれたメロにももってかれたし、ビデオクリップにもKOされた。こうなりてえなあって思った。自分のライフスタイルを左右した作品。「パークライフ」「エスケープ」も良いのだが、衝撃度はコレが一番。ブリットポップはこのアルバムで始まり、そしてこれこそが決定打だ。
犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

  • アーティスト:小沢健二
  • EMIミュージック・ジャパン
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ティーリーダンという歌詞が出てくる。それがしっかりと似合う、高級なアルバムなんだと思う。日本人でこういうプレミアムな作品を作るヒトは滅多にいない。歌詞が凄いとかドラムが凄いとか天使たちのシーンの10分3秒あたりの「カモン」がこのアルバムのピークだとか、散々語ってるのでここではあまり書かないが、久々に聴いたらやはり宗教以上にヤバい音楽。彼の音源は闇に葬られているものが多い。レコード会社、頑張って欲しい。
Romance

Romance

  • アーティスト:GREAT3
  • ユニバーサル ミュージック (e)
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バランス感覚などデビュー当時から皆無だったGREAT3。誰が選んでもベストはこの作品だろう。90年代という終わりを予感したディケイドをこれほど反映したアルバムは世界的にも珍しいんじゃないか。ボロボロがそのまんまボロボロに表現されていく。白根・高桑主導の音作りだったようだが、当時の片寄のヤバさがアルバム全体を支配。もう少しで「向こう側」へ行ってしまってたはず。ここからショコラの助けを借りて戻って来るんだが、こっちもその後ダメなポール&リンダみたいな感じになっていく。ロックと幸せは共存しないのか。このアルバムが出た頃、ジョージ・マイケルがこれほどの変態だったとは誰も想像していなかったと思う。一曲目の「praying for the time」の衝撃はとてつもなかった。鳥肌がたった。90年代という、自分の中で自覚が生まれたディケイドは、このアルバムから始まった気がする。以降の彼の混迷は想像できないほど素晴らしい作品だった。
The Bends

The Bends

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このアルバムはちょうど大学に合格し、地下鉄サリン事件(95年3月20日)の頃に熱心に聴いていた。時代が生んだアルバムだと思う。なんかこう救いが無いというか、それでいて実はすぐ近くに救いがあるのをわかっているというか、そんなリアルな雰囲気がアルバムに漂っていた。攻撃的で批判的で悲観的だけど、実に温かく優しい作品。歌詞もアホみたいに凄く心に染みた。OKも良かったがやはりコレこそが90年代のレディオヘッドだ。
Mellow Gold

Mellow Gold

  • アーティスト:Beck
  • Polygram
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このアルバムを買った日、高校の学祭の飾り付けをしてる最中に誰かが高い所から落っこちた。
ベックには素晴らしいアルバムが何枚もあるが、やはりこのアルバムのインパクトは強烈だ。良い曲が多い。時代のサントラだ。面白いのは、この頃のベックのインタヴュー。完全にラリっている。きっとラリった状態を演じていたんだろう。田中宗一郎のROでのレヴューのタイトル「この先行き止まり」ってのが凄く印象に残っている。そのまんま行き止まりになっちまっている気がする。コレはエポックメイキングな作品だろう。ただ、聞く回数ではone foot・・・が一番多いな。映画のサントラ。アージ・オーヴァーキルの曲をチョイスしてきたタランティーノのセンス。ある意味渋谷系にも通じる取捨選択の素晴らしさ、即ち目茶苦茶90年代な1枚だと思う。アホみたいにいろんな場所で鳴っていたし、車や部屋で仲間とよく聴いていた。それだけあの時代にあっていたということ。今でもコレを聴くと当時の雰囲気が俺の中では蘇る。
USE YOUR ILLUSION 1

USE YOUR ILLUSION 1

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なんだかすげえかっこいいなあって。15歳16歳の少年には凄く眩しかった。アクセルのタンパンとか意味わかんなかったし。汗臭そうなスラッシュ、小太りのベース(その後減量)、唯一の良心(に見えた)イジー。ビデオクリップもアホみたいに金がかかってそうな感じで単純に「すげー」と思ってたし次のアイテムを常に楽しみにしていた。しかし「次」がいつのまにか消えた。今聴いても重心が低くて迫力があるアルバム。このアルバムを外すわけにはいかない。今聴いてもroll with itの出だしのポコポコドラムとか、some might sayの魅惑的なメロディーは心を揺さぶる。MTVを見ながら引きこもっていた時期があって、頻繁にワンダーウォールが流れていたことをよく覚えている。当時からリアムのウタについてはそんなにすげえか?と疑問符を持っていたが、それは聴き続けている今でも変わらない。アニキのソロアルバムをそろそろ聴きたいものだ。チルアウトって言葉の意味を凄くよく理解させてくれたアルバム。それまでのロックの歴史の中でなかなか表に出ては来なかった音だと思う。音飽和時代じゃなければ生まれなかっただろう。非常に90年代的なサウンド。05年のメタモでの凄まじい演奏は未だに衝撃的で、この先、もはやそれ以上のロック体験が期待できない感じすらしている。
URBAN HYMNS

URBAN HYMNS

  • アーティスト:VERVE
  • Virgin
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一曲目「ビター・スウィート・シンフォニー」が絶対的。iPodを聴きながら街を歩いていて迂闊にこの曲がかかると、未だに前から来るヒトにぶつかりたくなる。迷惑な名曲だ。
今聴くと極めて古風なアルバムでヴォーカルのリチャード・アッシュクロフトの圧倒的な個性のみが目立つ。同時期に出た「OK」とかと比べると、時代性を反映していない分、今後も歴史の流れに関わらずクラシックとして人気を集めていくんじゃないか。
金字塔

金字塔

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「急にねあなたは言うやっと笑えそうだっていうときに・・・」こういったフレーズをゴタゴタしながらもビートルズ的なメロにがっちりロック的に乗せてきたこのアルバム、衝撃的だった。内省的ながら宇宙的な広がりを感じさせるサウンドも他のアーティストには無いもので、まさに天才だと思った。
部屋を出て、コミュニケーションを取れるようになってからどんどん失速していった。俺ら的には悲しいが、一義的には幸せなんだと思う。でもそれでいいんじゃないか、と。
Either / Or

Either / Or

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xoよりも、リアルなこちらをチョイス。彼を聴くならやはりKRSレーベルの頃の作品がいいと思う。映画で使われた「say yes」を筆頭に名曲オンパレード。亡くなってから聴き難くなってしまったのは何か凄く損している感じがする。そろそろ「出来事」は忘れて純粋にサウンドやメロディーを楽しめるようになると思う。ドラッグの狭間で揺れるギリギリの歌声が他のアーティストを圧倒的に凌駕している。90年代最高のメロディーメイカーだと思う。
[asin:B00000JC6C:detail:small]
始めて聴いたとき、圧倒的な音の迫力と圧力になんだこりゃと思った。ライヴを見て更になんだこりゃと思い、今再び聴いてもなんだこりゃと思う。桃源郷、90年代サイケの決定盤。ショ○コウ以上にぶっ飛んだ傑作だ。
ピンカートン

ピンカートン

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1STを最初に聞いたときは全然ピンとこなかった。「かっこよくないじゃん」と思った。当時大学に入ったばっかりだったので、この時点でweezerを否定した自分の感性は正しい。その後ウキウキの1年2年を越えたあたりから、だんだん自分のナード体質に気付いてきた。側にあったのはこのアルバム。このアルバムを聴き込んでようやく青アルバムの良さが理解できた。他のweezerのアルバムには無いダークな雰囲気と、一曲一曲アレンジが凝っているところが大好きだ。俺の大学時代を象徴するバンド。当時は良く聴いた。俺はこの「牛」が彼らのアルバムの中では一番好きだ。どこまでバンドでやっていたのかはよくわからんが、ここには音を作っている雰囲気がしっかり存在している。「星を見たかい?」を筆頭に名曲も沢山入っているし。うまい具合に叙情性が発揮されていると思う。このアルバムをピークにソカベのバランス感覚は均衡を失う。
Heavy Soul

Heavy Soul

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90年代のポール・ウェラーの働きってホントのところどうなの?って思う部分もあるが、俺自身はソロのウェラーにて「ウェラーを発見」し、彼の経歴からいろんな音楽に出会えたということも含めて凄く影響を受けた。佇まいに憧れた。まだ部屋にはウェラーのポスターがはってある。アズテックカメラの曲みたいに簡単には剥がしません。00年代のウェラーのほうがもしかしたら良いかも、という感もありつつ、90年代のウェラーならキラーチューン満載なこのアルバムを挙げる。
Everything I Long for

Everything I Long for

  • アーティスト:Hayden
  • Sonic Unyon
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トロントのシンガーソングライター。ローファイの中で最も純度の高いメロディーと歌詞を持ったアルバムだと思う。往年のフォークシンガーのようにしゃがれているけど、なんか艶のある歌声も堪らない。これを聴きながらウィスキーを飲むといろんなことがどうでもよくなってくる。ネガティヴ万歳。非常に90年代的で時代を代表する一枚だと思う。
[asin:B000026EV6:detail:small]
アルバムとしての完成度の高さが時代性を超越して素晴らしいと思う。軸になる曲がガツンとあって、脇役がぐっと締めている感じ。バーニーとブレットの関係は最悪だったようだが、そういう緊張感が凄まじくアルバムに反映している。好きな曲に溢れたアルバム。PVも良かった。
Mama Said

Mama Said

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90年代初期は中高校生だったのでチャートものに凄く興味をもってた。その中でもガンズやニルヴァーナジーザス・ジョーンズあたりはかっこいいなあと思っていた。レニクラもその流れで聴いた。「it ain't over・・・」を聴いたときは鳥肌がたった。かっこいい!!って。アルバムも凄く良くできている。
クラシックロックの帝王。00年代だとホワイトストライプスがこのポジションに入って然るべきなんだが、ポップさが全然足りない。もっと色気を出していいのに、と思う。レニーは色気を出しすぎてその後おかしい方向へ行ってしまった。「Diamonds And Pearls」「Cream」「Gett Off」「Money Don't Matter 2 Night」など、素晴らしいポップソングのオンパレード。今聴いてもめちゃくちゃ楽しいアルバム。500円以下で買えると思うので聴いていないヒトは必須だ。一番プリンスがポップメロを書いていた時期の作品だと思う。黒っぽさが強調されていないからか、雑誌などがプリンスの歴史を語る際にはあまり出てこないのが残念。良いアルバムなのに。カーペンターズオルタナ勢がカバーしたアルバム。少年ナイフソニック・ユースマシュー・スウィート、レッド・クロス、クラッカーなどが参加。それぞれのミュージシャンの愛がやたらと感じられて、この種の企画もののアルバムでは出色の出来だ。特にソニック・ユースにはノックアウトされた。聴いていないヒトは勿体無い。
[asin:B000002MPB:detail:small]
アルバムが出た当時から賛否両論だったし絶対「スクリーマデリカ」のほうが良い!!って意見のほうが強いのだろうが、俺にとっての衝撃はリアルタイムで買ったこのアルバムのほうが上。正直な所ローリングストーンズより「ROCKS」にやられた。ビデオクリップの明らかにジャンキーなボビーも凄く眩しくて、サイコーだ!!って思ってた。高校生の頃の俺には眩しすぎた。酒を飲み始めたら、ヘナヘナなバラードもグッときた。俺にとってはプライマルはこのアルバムまでのなのかも。その後の作品はあまり回ってない。コレとスクリーマデリカ、そしてギターポップの名作Sonic Flower Grooveばかり聴いている。
[asin:B0000564UB:detail:small]
今でもいろんな所で「ウェイク・アップ・ブー!」を耳にする。ブリットポップ最大の輸出品といってもいいんじゃないか。アルバムも、90年代ソフトロックとでもいうような優しいサイケに包まれていてとても出来が良い。一曲だけでこのアルバムを語るのは非常に勿体無いと思う。ブリットポップを代表する一枚。初めてフジヒコに聞かせてもらったときはかなりの衝撃だった。相当ヘタクソなバンドだなと思ったが、それがこのバンドのリアルさに輪をかけていた。隣の街で演奏しているバンドのような親密感があった。初期のシングルとこのアルバムの無垢さは他のバンドの追随を許さない素晴らしさ。管楽器が切なさを呼んだ。


  • 惜しくも最終選考で外れたアルバム。

People Move on
Sun Is Often Out
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Different Class (Dlx)
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Electro-Shock Blues
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Fun Trick Noisemaker
Hillside
Achtung Baby
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