solid bond

never a dull moment

Empire / Kasabian

Empire

Empire

デヴュー作は、「club foot」ぐらいしか印象に残らず、まあさっさと消えちまうんだなってイメージであまり聴いていない。しかしそれから徐々に彼らを取り巻く周囲の動きがやたらと盛んになってきて、で、しっかり俺は取り残されて。この2枚目が出る頃にはすっかり「UKロックの新たなる希望」というけっこうありがちなポジションにしっかり居場所を確保していた。
踊れるビートをベースに、OASISプライマル・スクリームから受け継ぐラッド的な野郎ロックを鳴らす。前作以上に曲が粒揃いで、バンドのトップを取ったるぜ!という野心を強く感じる。音の鳴り方が凄くかっこいい。ガーっとくる。どの音に効き目があるのかよくわかっているバンドだと思う。前半のラッドスタンダードも、後半のクラシカルなロックバラッドも、振り切れ幅がやたら激しく、節操無いと批判も受けそうだが、俺はこのなんでも噛み付く野心と好奇心は高く買う。90年代の総決算バンドという感じだが、生き残った90年代バンドの今の作品よりも、こっちのほうがサウンドの機能性の高さはずっと上だ。
甘くみてた。素晴らしい作品だ。一緒に拳を振り上げたい。