- 俺は内容証明を送りつけるため郵便局にいて、テレビを見ていた。相撲を見ていた。そしたら上に字幕が流れて、「麻原ショウコウ死刑確定」とのこと。相撲からショーコウ特番に変わった。
- あの事件は大学の受験の頃に起きた。俺らの高校は上九の下町だったので、「あのオウムがこんな事件を・・・」って驚きで一杯だった。「ホントにあのオウムが？！」って信じられなかった。
- ショウコウは大学一年の頃の想い出として痛烈に記憶に残っている。被害にあった方には本当に申し訳ないが、かなり面白がってニュースやワイドショー、スポーツ新聞を読んでいた。フラッシュがオウム特集の増刊まで出してたな。俺は買った。ホーリーネームをみんなで覚えてた。飲み会では詩人のケンタが座った姿勢のまま何度も飛ぼうとしていた。
- 今思うと、世紀末のあの時代を生きている人間だからこその事件であり、同時代の若者は、誰だってあの中にいてもおかしくなかったような、そんな雰囲気だった。閉塞感が支配していた。そしてそこから逃げ出すためのハシゴをみんな求めていたような気がする。
- なんとなく共感してしまう、そのためにあの事件について未だにしっかりとした考察がなされていないような気がする。あの時代に足をどっぷり漬けていた人間にとって、本音で書くと、表に向けた表現として成り立たない。へたすりゃ幻想として崇められる可能性すらあるんじゃないのか。危険だ。１０年以上経ってからの死刑確定も、そういう危険を考えるともしかしたらよかったのかも知れない。
- 渚のＣＭ。いいなあ東京。１１月仙台に行く予定。
