solid bond

never a dull moment

フジロックを振り返る。

    • 出発から到着

今年もNARAMURAファミリーに連れて行ってもらう。当初11時頃出発の予定だったが、大幅にズレ午前1時過ぎにナラさんの友人が調達してきた大型バンに乗り込み甲府を出発。ナラさんの友人とナラさんが交互に運転し苗場に朝6時過ぎに到着。

土曜の朝となるとさすがにキャンプサイトはいっぱいだ。ナラさんらのテントを張る場所はかなり上に登らなければ見つけることが出来なかった。
ナラテントをずっと下に下りていった所にチーム村田のテントが張られていた。村田とODA、俺、ワイフの4人で乾杯する。朝からビール。結局3缶ぐらい空けちまった。かなり端っこの区画だったがトイレは随時8人ぐらいの列が出来ていた。もう少し増やせないものか。STANDING OPERATIONに走るのも止むを得ないだろう。
軽く酒盛りが終わったあと、1時間ぐらい寝る。11時頃にフクヨが登場。乾杯とラーメン。この時点で天気は曇。「少し降る程度だろ」ってな話をしながらキャンプサイトを出た。

グリーンに着くとやたら混んでいてヒャーと叫んでしまった。シートを持ってきたが敷く場所が見当たらない。傾斜に近いほうにごくわずかなスペースをゲット、なんとか基地を作る。狭い・・・。

一息つくとキングトーンズの演奏が始まった。オッサン歌謡。最前列でみてるやつはかなりの物好きだな。「今年はメンツがよええよなあ。去年ならこいつらオレンジでやってただろ」などと話しつつグリーンを後にした。
後日、ワイドショーでフジロックが紹介されていて、キングトーンズがフィーチャーされていた。むむ。

    • THE BENEVENTO/RUSSO DUO

ヘヴンへ向かう。ボードウォークの木道亭でダブル・フェイマスが演奏していた。気持ち良い演奏。じっくり観たかった渋滞の列の流れに逆らえず。木道亭は確かに素敵なんだが演奏始まると渋滞になってしまうのは何とかして欲しい。

ヘヴン到着。花田なにがしがロックギターを鳴らしていた。何回か目の乾杯。ビールが美味い。ODAがピザを買ってきて、これがホントに激ウマで感動。そしたらいよいよ雨が降り始めた。たいして降らねえだろ、と思ってたらどんどん強くなる。

THE BENEVENTO/RUSSO DUOはキーボードとドラムのみのミニマムなポストロックバンド。去年のメタモで観たトータスみたいな感動を味わいたくて観に来たのだが、音の抜けが悪く(ヘヴンは音が悪い気がする)感動を味わうまでに至らず。迫力に欠けた。

大雨の中、アヴァロンでメシを食う。ケバブ食ったら胃がもたれた。やたら降ってくる雨、去年買ったゴアの効果を完全に失わせている。雨が肌に当たって寒い。うーん厳しいな。
グリーンの基地へ戻ると、更に客が増えていて愕然とする。チリペッパーズの頃にはどうなっていることか。ミスター・ケン・ヨコヤマが演奏中で若者どもが大騒ぎ。雨の中元気だな。MCが寒くて興醒め。「上を向いて歩こう」「Can't Take My Eyes Off Of You 」も悲惨だった・・・。

雨もあり超満員。息苦しい程だった。足場もぐちゃぐちゃ。密集しているのにタバコを吸うやつがいてウザかった。しかし演奏が始まるや否やそんなバッドな環境はどうでもよくなった。
楽しい!!ジュニアが音をしっかりまとめ、シニアが巨体を軽く浮かせて客を煽りまくる。ゲイ強し!!シニアの怪しい動きに目を奪われっぱなし!!正直家ではそれほど何回も聴いてはいない音楽なのだが(ウキウキな気分でないと聴けない)、曲を知らなくても全然関係無し!!踊って叫んで楽しめた。「move your feet」はお待たせ!!って感じのタイミングで披露され皆笑顔で踊る踊る。楽しいステージだった。
ただ、フジよりサマソニのほうが合ってるとは思う。

クーラ待ちのレッドマーキーの熱気にノックアウトされ一度外へ。外も人が一杯だ。ひゃー。胃が気持ち悪かったので水を買い、クーラはステージ後方から眺める。クリスピアンは相変わらずかっこいい。けれどなんか音が良くないな・・・。レッドマーキーに合っていない感じがした。直接ガツンとグルーヴがこないのだ。うーむ。3曲目ぐらいで外に出て、離れてステージを見る。「Shower Your Love 」「Grateful When You're Dead」と続くあたりは凄く良かった。ここで渋滞を避けグリーンへ逃げる。皆「クーラ良かった」って言っていたが、俺は満足できないな。グリーンだったら音が綺麗に聴こえて良かったのかも。太陽、星とかってクーラの専売特許じゃん。外で見たかったな。
雨はほぼ上がった。

チリ・ペッパーズの頃に眠気のピークがやってくる。あああああ!!よりによって今日一番見たいアーティストなのに!!

Can't stopでスタート。以下セットリストはmixiのコミュから。
Dani California / Scar Tissue / Charlie / Fortune Faded / Readymade / Throw away your television / snow*1 / Me&My friends / wet sand / right on time / How Deep Is Your Love(Bee Gees by John) / Don't Forget Me /Tell me baby
/ Californication / By The Way / (アンコール)Give It Away
今のチリ・ペッパーズは完全にジョン・フルシアンテ主導のバンドだ。ギターでぐいぐい引っ張るのは勿論、時にはコーラスのほうがアンソニーのウタよりデカかったりする。
ダニー・カリフォルニアはアルバムで聞くよりずっとファンキーでかっこよかった。後半のジョンのギターソロに早くもノックアウト。続くスカー・ティシューも最高で、一番聴きたかったといっても過言ではないこの曲のジョンのソロに痺れる。久々にライヴ観ながらエアギターをしてしまった!!ジョン=神。その後はイスに座ったり立ったりしながら疲れと闘いつつステージを楽しむ。「ジョン、歌うか」みたいなアンソニーのMCの後、ジョンが突然歌いだしたゲイトリオビージーズのヒット曲「How Deep Is Your Love」、良かった!!裏声を駆使した唄法はちょっとビージーズと近いセクシャルを感じさせるが、それも含めてジョン・フルシアンテ。ジョンファンにとっては明らかにこの日のピークだったろう。俺にとっても今年のフジロックを象徴するウタになった。原曲も昔から大好きだっただけに感動。「tell me baby」は相変わらずcan't stopに似てた。そして「By The Way」「Give It Away」!!踊った。吠えた。あ〜!!チリ・ペッパーズの底力を思い知った。絶対また観たい。そりゃ皆コレ観たくてフジまで来るさ、人沢山来るわけさ、と非常に納得した。

終演後、なんか食いにOASISへ行ったら渋谷の交差点以上に人が沢山いてどうにもならず。テントに戻って俺らは爆睡。村田らは温泉に行き、その後カレーを食ったらしいからタフだ。

テント内が熱くて目が醒める。すげえ良い天気だ。やたら気持ちが良い。去年の朝を思い出す。同じようにやたら良い天気で雨が降る気配なんか少しも無かった。
ラーメンを作りビールを飲む。だらだら外を眺めながらW杯の話なんかをする。フジロックのこういう時間が結構好きだ。アルファ米で村田がカレーを作る。かなり美味くて驚いた。
運転もあるのでビールは午後からは飲めない。とりあえず今のうちだ、とガツガツ酒を飲んだ。
10時過ぎぐらいから片付け始める。ナラムラファミリーにも挨拶に行ってきた。さあ最終日、出発だ。

    • THE REFUGEE ALL STARS OF SIERRA LEONE

村田らは遅くなるとのことなので、俺とワイフは先にグリーンへ行き場所を取る。今日は昨日より全然人が少ない・・・。場所取りも結構余裕だ。太陽さんさんと照りつける中、寝転がって大人数のTHE REFUGEE ALL STARS OF SIERRA LEONEを聴く。オーガニックでかっこいい。グリーンの昼間はこういう文句なしに体が動く音楽をもっと沢山やるべきだ。しばらくすると村田らが来てドラゴンドラに行くという。どうしようかと思ったが、多人数バンドを捨て後を追った。

ドラゴンドラへ向かう途中、木陰に佇む一人の疲れたオッサンに気付く。「あの人、『コンバンワ、渋谷陽一です。』の渋谷陽一じゃない?」
寝耳に水の俺。とりあえず気付かれないように距離を置いて、遠くからその対象物を眺める。おおー、ホンモノだ。彼のロック解説本を少なくとも百数回読んでいる俺が見間違うはずは無い。良い意味でも悪い意味でもロッキングオンで育った俺にとって、初代編集長の彼は天皇に近い存在。恐れ多くてとても近くに寄れない・・・。シャイガイを尻目に村田とワイフが声をかけ、携帯を弄っていた渋谷は笑顔で対応してくれた。めちゃくちゃ疲れた顔をしていた。目の下にクマができていた。しかしきな臭い時代に這い上がってきたオーラというか実はおっかねえ雰囲気は漂っていて、さすが老いても日本のロックの重鎮だなあと感動。写真を頼むとガッツポーズを取ってくれた。コレを我々は渋谷ポーズと名付けた。
ロック―ベスト・アルバム・セレクション (新潮文庫)
ドラゴンドラを待っている間、「DIE or GOA」などの話をする。けっこう列は長かったがそれほど待たずに乗れた。意外と速い!!谷を越えるときはジェットコースターに近い恐怖(?)を味わうことが出来る。上から見るフジロックの姿も楽しい。グリーンからオレンジまで行くのはかなりの距離があることがわかる。実際何メートルなんだろうな。
フクヨが後ろの客を威嚇し始める。これは帰りのドラゴンドラでも続いた。アイーンなどを繰り出し対向車の反応を楽しむのだ。ドラゴンドラ、楽しかったな。
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頂上はかなり涼しく、人も多くなく、フジロックの喧騒から離れリラックスできるすげえ良い場所だった。着ぐるみの動物どもやハイジが温かく俺らを迎えてくれた。ちょうどゴーイングアンダーグラウンドがアコースティックギグをやっていて人だかりが出来ていた。「いいないいな〜人間っていいな」の歌を歌っていた。こういうベタな歌が似合ってしまう、そんな場所だった。シーソーや紙芝居を楽しんだ後下山。トイレも空いてて綺麗だった。ソークーするならここが穴場だ。

昼飯食いながらスノウ・パトロールを基地で眺める。2曲ぐらいでフィッシュマンズに向かったんだが、かなり良い音を出していたと思う。UKのバンドなので軽くふにゃふにゃした演奏だろうと予想していたが、意外と重く、グリーンの広さに負けない音を作っていた。もっと観たいなあとも思ったが渋滞が予想されるのでサクサクとボードウォークへ。

30分以上前にヘヴンに着いたが既にすげえ沢山の人が開演を待っていた。茂木率いるフィッシュマンズに対する愛と期待感を感じる。しかし無理してヘヴンでやる必要があったのだろうか。明らかにキャパオーヴァーだ。
茂木がヴォーカルをとる「Go Go Round This World!」からスタート。一曲毎にヴォーカルが替わり、原田郁子bonobosキセルが歌っていく。けっこう皆健闘していたと思うが、なんだか凄く一曲一曲が長く感じた。終わりそうで終わらない。ヘヴンはあまり音が良くないので音に身を任せて漂うってのは難しく、演奏もそれほど面白味にかけたため、引っ張りすぎのアレンジがつらかった。人も多いし。UAは圧巻。それまでのシンガーには失礼だが、プロとアマぐらいの差を感じた。スター。なんだかやたらでかかったし。UAが見れて良かった。
フィッシュマンズリユニオンってのは、やっぱ何回もやってしまうとカラオケ大会になってしまい有難味が薄れる。5年に1度ぐらいの登場がちょうど良いのかも。混雑が気になったのでUAが終わると同時にグリーンへ向かう。ヘヴンの会場に入れなかった人が通路で大勢聞いていた。すげえな。

始まるまでけっこう時間があったので苗場食堂で味噌汁やブタを喰らう。素朴な味と値段が良い。昨日胃がもたれたので、こういうあっさり味は嬉しい。フェスメシもそれなりに食べたから今後はこういうものをメインに食っていこう。軽く腹を膨らまし、ラカンターズに備え前のほうへ。濡れた地面が毎度の事ながら臭い。なんなんだろうな、この香は。
始まるまで若干時間がかかったがジャック・ホワイト、ブレンダン・ベンソンの両雄並び立ち演奏スタート。回りで聴いている若者は明らかにブレンダン無視。皆ジャックコール。しかし「バンド」を強調すべく、ほぼ半々で歌を分け合う。
強固なリズム隊と素晴らしい腕のギタリストによる演奏が悪いはずが無い。しかし、演奏の熱さとオーディエンスの熱が、完全には比例しなかったのが残念。俺はブレンダンの歌によるボウイのカバー「it's so easy」が聴けてよかった。

またもや苗場食堂で味噌汁を飲む。カラダに染みる。美味い。
すっかり暗くなった。いよいよ今年のフジロック、(俺にとって)最後のアクトストロークスだ。
ストロークスは2003年のサマーソニックで一度見ている。スタンドで見たのだが、凄くかっこいいロックンロールを鳴らしていて、上り調子のバンドの力を強く感じさせた。ただ、最近のストロークスの印象はどうもフェイドアウト気味というかあまり新鮮味がなくなってきているだけに、正直フジのトリをこのタイミングで務めるのはどうかと思っていた。ネットで見ても、そういった意見の連中が多かった。
どうなることかな、と思いつつ、前のほうで始まりを待っていると、徐々に人が集まってきた。さっきのラカンターズよりずっと人の密度は高い。さすがトリ。
ニックのギターが光る「Juicebox」から演奏開始。間近で観るストロークスは皆やたらかっこいい。スターの後光がやたら射している。特にニックは腕も足も長く、ギターのピッキングもやたら速いため同じ人間に見えない。
演奏はサマソニのときより明らかに上手になってきている。リズムはガッチリ、ギターはニックを中心に外すことなくまとめていく。ただ、その分危うさが無くて少々退屈。テンポを落としていた曲が多く、なんか乗り切れない。アルバートの元気の無さも気になった。1STの良く知られた曲は盛り上がったが、3RDの曲がどうも盛り上がらない。俺は新しいのも結構好きなんだけど。一曲一曲で盛り上がりが切れていた感じがする。エネルギーが持続してなかった。最後だから客が疲れていたのかも知れない。周りは途中で切り上げて帰っていく人が目立ったし。去年のニュー・オーダーもいまいちだったし、日曜のグリーンのトリは難しいなあと実感。

    • 今年のプースカ

晴れて連続2年目の参加となりました。大勢の皆さんの協力のもとに今年もなんとか参加できました。良かった良かった。

二日目はアホみたいに人が多かった。去年よりも多かったんじゃないか。テントサイトはともかく(テントサイトに居る時間は非常に楽しい)、会場が2日目みたいな状態だと「フジの雰囲気が好き」って胸張っていえる感じはしないな。3日目の快適さを味わった後は特にそう思う。勿論天気が良かったのが一番だと思うけど、3日目ぐらいのゆとりが絶対必要だ。それとは逆の要素になると思うが、もっとメンツを揃えて欲しい。これだけ金払ってんだから。夫婦で参加すると、チケット代、移動代、メシ等で10万は絶対かかる。金かけるんだから魅力的なアーティストの演奏を聴きたいよ。今年はチケット代も上がったんだし。もっと音楽でも感動させて欲しい。ヘリは(乗りたいけれど)二の次だ。ただ、良いアーティストを呼ぶと客が増えて不快指数あがるんだよな・・・。
今年は前述の通り強烈な印象を受けたバンドはチリ・ペッパーズぐらいなんだよな。ダフトパンクやリップス、マッシヴあたりをフジに略奪出来ていればな・・・。来年はメンツ次第で行こうかなと思っている。キャンプや野外フェスの雰囲気を楽しむなら、natural high!や朝霧、メタモなんかでも良いのかなあ、と。来年は佐渡にも行きたいと思っているし。

2年目のゴアの不調により、雨が直接肌に当たってきつかった。しかしこれはどうしようもない。

プースカ書いたけれど、来年になればきっとフジフジと騒いでいると思う。そういうもんでしょ。

*1:hey,oh