solid bond

never a dull moment

neil young / Prairie Wind

Prairie Wind

Prairie Wind

ニール・ヤングって評価しづらいよな。彼が本当にやりたいことって何なのか、よくわからん。時代と、彼の本来の才能がたまたま幸福に重なりあった「ハーヴェスト」「ゴールドラッシュ」、勿論CSN&Yバッファローあたりは良かった。でも、その後のハード路線やパンク路線、オルタナロック路線はどうだろう。いろんなムーヴメントの祖先扱いだけど、それぞれの極みに達していない。全てかじっている程度。そりゃそうだ。
この新作「prairie wind」なんかは、どういう必然性から再びこの音に戻ってきたのか全くわからん。「ハーヴェスト3部作」の最後を飾る作品、って、よくわからんシリーズものがヤングの中で出来上がっていたのも驚き。「ハーヴェスト・ムーン」もそうだが、耳心地は良いし曲も悪くない。けど、深みがあるかというと無いんだ。若い情熱が溢れ出るような過去の名作のほうが(当然だが)ずっと深みがある。わけのわからん回り道をしてきた代償は大きく、本来鳴らしているべき音の説得力を完全に失ってしまった。その軽さがパンク的といえばそうなのかもしれない。このまま手癖だけで出来たような軽い作品を作り続け、音自体の迫力とか熱量を失っていけば、長年守り続けた「リスペクトすべきベテラン」の座を誰かに譲ることにもなるんじゃないか。