- アーティスト: フジファブリック,志村正彦
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/11/09
- メディア: CD
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アジカンなんかに顕著だが、最近のバンドの作る音って、非常に薄く感じてしまう。音の背景に見える重ねてきた音楽キャリアが凄く浅い感じがするのだ。90年代前半のフリッパーズ近辺の音(渋谷系!)とか90年代後期に出てきたくるりやサニーデイ、スーパーカーあたりとは、鳴らしている音の原点が明らかに違う。OASIS聴いて曲作りました!!みたいな。音楽マニアが減っているのかなあ、と寂しくなる。
このバンドは久しく無かったマニア界からの刺客だ。サウンドの核はキーボードで、この人が相当のマニアではないかと思料する。実は1STあたりでは、アジカンなんかと一緒で薄い音楽キャリアのバンドなのかな、と思っていた。プロデューサー主体で音作ってんだろうな、と。しかし片寄から離れてもこれだけの音を作っており、バンドの資質としてこういう変態的な音楽性を持っているということなんだろう。
前作から成長し、自分らのルーツを消化し、自分達の音として上手く鳴らしている。相変わらずのマニアックなアレンジは更に磨きをかけている。一曲一曲の顔もわかりやすくなった。
アルバムの最後を飾る「茜色の夕日」。懐かしい日本の風景と、60年代のロックを下敷にしたマニアックなサウンドが同居するこのバンドでしかありえない素晴らしい曲だ。05年の邦楽の中で最も口ずさんだ曲。