solid bond

never a dull moment

kooks / Inside In/Inside Out

インサイド・イン/インサイド・アウト(CCCD)

インサイド・イン/インサイド・アウト(CCCD)

最近の新人バンドには相当な距離を置いているつもりだ。雑誌のレヴューを参考に、盲目的に新人バンドの作品を買い漁ることは無くなった。しかし、ラジオで耳にしたこの新人バンドの曲は、一発で僕を虜にした。
オーソドックスなギターロックバンドだ。しかし、リズムが達者で、60年代〜70年代のいろいろなレコードを勉強したんだろう、間とかメロディーの浮き沈みが、昨今のバンドの中では際立って優れている。サウンドのベースはグラムロック。キュートな色気と、レノン的乾いた色気が交錯する。メロディーは、土臭さを持ちつつ素朴に泣いている。都会的な感じがしないのが70年代前期を彷彿とさせる。一曲一曲の完成度は非常に高い。しかしトータルで聞くと、オーソドックスであるが故に飽きるのも早い。アルバム全体で聞かせるというよりはiPodあたりで一曲ずつ切り刻んで聴くのが良いと思う。
こういう王道なギターロックを、非常にレベルの高い所でまとめてしまうと、最近では長生きできないことが多い。次のアルバムでは、メロディーを少し強化したぐらいでは誰も褒めてくれない。期待しているので頑張って欲しい。