- ベルセバのアルバムで好きなのはどれか、と聞かれたらなんと答えるだろう。フジヒコは間違いなく赤盤「天使のため息」を選ぶだろう。青臭さでは№1だし、このアルバムをフジヒコから聞かされたときの衝撃は今でも忘れがたい。「ヘナヘナじゃん!でもなんだこの美しさは!」当時はシーンに脆くて壊れそうな「ロックアルバム」を作るアーティストが沢山いて、ベルセバの美しさもその列に並ぶものだった。で、極端に脆く、それでいて強い意思を感じさせた。俺らも当時大学生だったし、こういうモノを作りてえなあと思ったもんだ。衝撃なら一番。
- しかし、作品として好きなのは黄盤の「わたしのなかの悪魔」。60年代風のサウンドとメロディーの出来が素晴らしく、捨て曲無し。バンドとして「素晴らしいものを作る!!」という強い意思も感じる。A面B面を意識した盛り上がりも素晴らしい。いつ聞いても良い作品だと思う。5曲目が好き。
- 実質的な一枚目のアルバム「タイガーミルク」も捨てがたい。本格的な大学生ミュージック。対極にある詰まらんアルバムが「Dear Catastrophe Waitress」。俺が好きだったベルセバがここにはほとんど残っていない。新作も有名プロデューサーを招いての作品だそうだが、ストレートなポップアルバムは止めて欲しい。極端にサイケな60年代中期を彷彿とさせるトータルアルバムでも作れば良いのに。志こそこのバンドの命のはずだ。