- アーティスト: くるり
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: CD
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インタヴューで「最近のバンドがビートルズの影響を語らないのはおかしい」と岸田氏が語っていた。ベースを中心としたサウンドは確かにビートルズやそれに付随するバンドの影響を感じる。どうしてこの迷いの無い路線に進むことを決めたのだろうか。
ここ何枚かのアルバムでもどかしかった過剰なマニアックぶりはすっきりとしたわかりやすさに転化。歌詞も誰が聴いてもどうにでも解釈して心が震えるものになってる。それでいて、微妙な所でベタベタになっていない。相変わらずメガネの(最近はつけないことも多いが)奥の目はやたらと醒めている。
ほとんどの曲がお気に入り。サビがロネッツ並にポップな「Baby I Love You」やくるりらしいクールな「赤い電車」といったシングルは勿論、フジロックで喝采を浴びた「お祭わっしょい」、和的ジャム系な展開をみせる「Long Tall Sally」など佳曲揃いだ。
欠点はサウンド。ミックスまでわかりやすさを目指したのか、日本的な、ヴォーカルがやたらと他のサウンドから隔離された音になっている。ちょっともったいない。
スーパーカー、中村一義、サニーデイあたりの90年代中期以降の才能がどんどん落ちていく中で、くるりの精彩に富んだ音は同時期を生きた人間に力をくれる。いつか100万枚売って欲しい。