solid bond

never a dull moment

Jacksonville City Nights / Ryan Adams & the Cardinals

Jacksonville City Nights

Jacksonville City Nights

ライアン・アダムスは天才。
雷雨の中のフジロック、一時間足らずで終息したステージで大いに男を下げたライアンだが、僕は逆にその中途半端なステージにライアンの凄さを感じた。その後貪るようにライアンの作品を聴いている。売れた「GOLD」「ロックンロール」はいまいちだったんだが、その他の「love is here」や「cold roses」といったアルバムが素晴らしすぎて腰が抜けた(表現古い!!)。カントリーをベースにしたオーソドックスなアメリカンロック。こういったロックは概して緩くなり(それがいいことも多い)ダラダラ流れてしまうことが多いのだが、ライアンの場合、耳を離さない緊張感があり、それは演奏にも凄く良い影響を与えている。今の時代、ここまで雰囲気のあるロックを鳴らせるアーティストはそれほどいない。
ベースはカントリーだが、勿論幅広い音楽性と素晴らしいメロディーラインは健在で、スロウなナンバーに何度も涙腺が緩む。ノラ・ジョーンズとのデュエットも良い。love is hellに並ぶ名作だ。
日本版に入ってる「always on my mind」のカバーが凄くかっこいい。これはiTMSでも買えるので、洋版買った人も是非聴いて欲しい。泣ける。
センチメンタルの覇者。自分の情けなさを知りつつ、何度も何度も崩壊していくダメ人間。ボロボロの精神に、ホンモノのロックは宿る。溶けてスライムになりそうだ。ああ、これだからロックの新譜を買うことをやめることは出来ない。