- アーティスト: Paul Weller
- 出版社/メーカー: Yep Roc Records
- 発売日: 2005/10/11
- メディア: CD
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音作りは非常にシンプルだ。初期衝動を大切にしたんだろう、作りこんだ感じがしない。僕のようにスタンリー・ロード周辺の第三期黄金期を愛している人間にとっては、サイケを帯びた深みのある音がもっと欲しいと思うかもしれない。しかし、おかげでリアルなウェラーが伝わってくる。ここ数年ではもっとも剥き出しでわかり易い作品になっていると思う。
良い曲が沢山入っており、コンポーザーとしての勘はすっかり取戻している。中盤のスロウなナンバーの出来がすこぶる良い。これだけのキャリアを誇りながら、未だに過去の焼き直しにならない曲を作れるのはさすがだ。決まったカタチを持っていないからこそだと思う。
ブリットポップの頃は、モッズ・アイコンとしてのウェラーの魅力が、音に先行していたと思う。しかし、今のウェラーは、そういった魅力以上に音楽が素晴らしい。作品の質では新たな黄金期がやってきたと言っても良いと思う。僕は成熟した傑作だと思う。