solid bond

never a dull moment

teenage funclub / Man-Made

Man Made

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すっかりベテラン。ティーンネイジファンクラブ、久々の新作は、プロデューサーにジョン・マッケンタイアを招いた意欲作。しかし、あまりマッケンタイアの色は濃くない。相変わらずのティーンネイジ節が炸裂している。
前作「HOWDY!」は、良い曲もあるものの、どうもアルバムとしての個性を欠き、面白味に欠けた。すっかりオッサンだし、そろそろご隠居かな、と思った。
ここまで来ると、選ぶ方向性はあまり無い。ポップ職人としての味を深く掘り下げていくか、誰でもわかる完全なポップに特化していくか。あるいはマニアックな音楽嗜好を表に出し、音や展開に全てを表していくか。HOWDY!はそのあたりがはっきりしなかった。新作は、ジョンを招いた時点できっと音のコダワリを目指したんだと思う。そして、メロを聞く分には、派手な展開を控えた玄人好みのポップメロになっている。方向性としては悪くない。しかし、音のコダワリという部分では、今までとあまり変わっていない。ジョン・マッケンタイア独自のドンピシャなドラム音や音の分離がたいして目立っていない。
過渡期だと思う。2000年代のポール・マッカートニーのソロアルバム並の落ち着きがある。決して傑作ではないが、この穏やかさも、なかなか簡単に作れるものではないと思う。