solid bond

never a dull moment

coldplay / X&Y

X & Y

X & Y

ヤングUKミュージック・ミリオネア第四位のコールドプレイ、3枚目のアルバム。

このバンド、デヴュー当初は青い炎のようなクールな冷たさと、人間らしい温かいメロディーのギャップが抜きん出ていた。名曲「yellow」はその結晶であり、傑作クリップは当時のコールドプレイの本質を凄く良く表していた。しかし、その後はパーティーライフや資本主義に揉まれ過ぎて、伝わってくるニュースはボロボロのものばかり。そういった状況に置かれても良い作品を作るアーティストは幾らでもいるのだが、このバンドにはそこまでの根性とセンスは無いんだと僕は思う。

前作には上昇期にあるバンドの興奮が込められた曲が幾つかあり、かろうじて楽しむことが出来た。しかし、今回のアルバムはどこを聞けばよいのだろう。スケールは阿呆みたいに広がった。ただ、その全てが緩い。緊張感や主張の無いサウンドで、リバーヴの聴いた音は靄の中で聴いているような印象を与える。ダメな80年代サウンドからの影響が大きいのだろう。ケミカルジーンズを履いたクリスの姿を想像してしまった。

何曲か良いメロディーを持った曲はある。しかし、プロダクションが全てをダメにしてしまっている。身の丈にあった音・自分達の音を探すべき。なんのために出している音か、伝える必要が有るのか。契約や組織のためだけに出された音に大きな感動を覚えるのは難しい。