solid bond

never a dull moment

brendan benson / the alternative to love

オルタナティヴ・トゥ・ラヴ

オルタナティヴ・トゥ・ラヴ

6年ぶりの新作となった前作「ラパルコ」での復活以降、順調な音楽活動を繰り広げるブレンダン・ベンソンの新作。盟友ジャック・ホワイトが参加。デヴュー当時から共作してきた元ジェリー・フィッシュのジェイソン・フォークナーは残念ながら不参加となっている。前作が英米そして日本で高く評価されたこともあり、自信を持って作られた作品のようだ。

ビートルズ、というよりはバッドフィンガーを彷彿とさせる美メロは相変わらず。60年代〜70年代のメロディーメイカーの旨みを全て注ぎ込んだような素晴らしいメロディーで、過去の影響を感じさせながらも「ブレンダン・ベンソン」独自の色をしっかり持っているのが凄い。ポール・マッカートニーコステロあたりと同レベルのメロディーメイカーだと思う。

サウンド的にも自分のカタを持っている。初期バッドフィンガーや中村一義の「金字塔」あたりにも感じられる、自己小宇宙な音。スカスカな感じだけどいろいろなものが広がっていく感じ。歌以外の音がどちらかというと素っ気無い・冷たい感じで、歌の孤独感が強調される。微妙にエリオット・スミスの考えている音とこの人の作る音の方向性は一緒だったんじゃないかなあと思う。非常にクール。そのあたりがジャック・ホワイトの嗜好とも合っているんじゃないか。

1STのようなパワーポップを期待すると肩透かし。僕は、2枚目よりも更に内面に向かっているように感じた。独特の地位を確立しつつあり、今後も凄く期待したい。