- アーティスト: Mars Volta
- 出版社/メーカー: Umvd Labels
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: CD
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まず音圧に圧倒される。ベースが凄いとかヴォーカルが凄いとかってレベルで語れるものではない。音が固まりになって襲い掛かってくる感じだ。いろんな音がぶつかってくるのだが、そこに無駄な装飾は無く全てが必然として鳴っている。音と音の混じりあいが凄くセクシー。最近のロックのアルバムで最もセクシャルなアルバムといえるのではないか。
このアルバムの特徴にもなっているのだが、曲の切れ目が無く、まさしくアルバム一枚でひとつの世界を作り出している。プレグレ的。多分バンドはプログレをやろうと思ってこのアルバムを作ったわけではないだろうが、充分プログレとしても機能する。クリムゾンのファンなどは久々に心から歓喜できるアルバム。
商売とか名声とか批評とか、最近のロックバンドが振り回されているものとは全く違う方向で貫かれている。そこにまず感動。そして、その意思が、ここまで劇的なアルバムの完成に至ったことに感動。非常にマンガ的で、神懸り的で、やたらとセクシー。これを最高のロックと呼ばないでどうする。
いろんな意味でロックの歴史をしっかりと踏襲し、その上で新しいものとして機能している。とにかく愕然としてしまった。自分の生活の中で鳴っている音楽ではないが、歴史にしかりと足跡を残す本当に優れたロックアルバムだ。