solid bond

never a dull moment

low / The Great Destroyer

Great Destroyer

Great Destroyer

サッドコアの代表格LOW、久々の新作はsubpopに移籍してのリリース。アルバムサイズとしては7作目(!)にあたる。
プロデュースは繊細かつ暴力的なギターサウンドを作らすと非常に上手なデイヴ・フリッドマン。彼の手がけた作品ではWEEZERの2NDやフレイミング・リップスの近作が好きなんだが、その延長線上にある迫力のある音に仕上がっている。元々LOWの血生臭いメロディーは素晴らしいものがあり、前作「TRUST」ではチャド・ブレイクの元、その生々しさを強調したサウンドになっていて凄く良かったのだが、閉鎖的な感じは否めなかった。今作はフリッドマンの参加で外に開けた音になっている。ポップになった。それをネガティヴに捉えてしまうファンが多そうなのもサッドコアの代表選手・LOWならではか。しかしこのバンドが昼間に聴けるサウンドを作ってくるとは思わなかった。闇の中で蝋燭の灯りのみを頼りに音を鳴らしていたようなサウンドだったのに。
きっと、このアルバムはかつてのファンからは批判の対象になっているんじゃないか。でも、居心地の良い場所から敢えて自分達に挑戦をするようなサウンドを求めたユニットの姿勢を僕は凄く評価したいし、その試みは間違いなく成功していると思う。この素晴らしいメロディーと世界観は、もっともっと幅広いファンを獲得しても良いはずだ。