solid bond

never a dull moment

Galaxie 500 / on fire

オン・ファイア

オン・ファイア

89年の作品。バンドのセカンドアルバムだ。
「うぜえなあ」と呟いて、白い煙を吐いてダラダラしていたのはもう5年以上前になる。何をやってもどうせダリいよ、という認識のもとで、いろんなものを逃がしてきたし、逆に得たものもあっただろう。今の世の中はかなり変わってきている。スピードが早いため、ダラダラして立ち止まっているわけにはいかない。取り残される。
ギャラクシー500は、白昼夢のサントラだ。先に進めない人間が、ベッドの中で聴くのにこれ以上ピッタリくる音楽は無い。
久しぶりに聴いて驚いたが、凄い演奏だ。ドラムは僕が叩いたほうが上手じゃないか?というぐらいズレている。ギターの音からは全くヤル気が感じられない。ボーカルはヨレヨレだ。ずっと聴いていると、永遠に同じ曲がなっているんじゃないかと錯覚してしまうほど、それぞれの曲にあまり違いが無い。
しかし、圧倒的に心に染みる音だ。洗浄されるというか、漂白されるというか。ある時期の若者が持っている心を確実に音として表現している。冷たい音なのだが、非常に優しく包み込まれる。色を失った世界。白い音。このまま漂っていたい。