solid bond

never a dull moment

 朝霧JAMの二日間

村田プロデュースの朝霧ジャムに行ってきた。

(写真つきはhttp://blog.livedoor.jp/m-00_27331/archives/cat_332684.html
(フォットアルバムはhttp://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/bc/offsidedrug/slideshow?&.dir=/%c4%ab%cc%b8%a3%ca%a3%c1%a3%cd2004&.src=ph&.view=t


<初日>

朝8時10分頃出発。前日非常に体調が悪く(呼吸が辛かった)、朝から微妙にカラダが重かった。正直厳しいなあ、と思いつつ車を走らせた。
天気は快晴。だんだん気分も乗ってくる。
道も非常に空いていて、快適にドライブ。途中、リョウジ・ナラムラの一行を発見する。相変わらずソウルフルなナラさんだ。
会場には10時15分過ぎぐらいについた。グリーンパーク駐車場に行ったら、会場の中に駐車場が変更になったとのこと。ラッキー。会場はたくさんの若者の笑顔が一杯だった。スタッフの人も満面の笑みで迎えてくれる。こっちも笑顔になった。
車を止め、荷物を取り出す。テント(5人用)、クーラーボックス、着替え等、ディレクターチェアーが主だった荷物だったのだがかなりの量だ。ワイフのメガネ先生と僕との二人で運ぶのはかなり辛かった。駐車場からBサイトまではAサイトを完全に一回りしなければならず、かなりの距離を必死で荷物を持って歩いた。
Bサイトからは土砂道。まだ10時半ごろだというのにテントの場所はもうだいぶ埋まっている。今回、村田村を作る予定だったため、それなりの広いスペースが必要だった。手前のほうには見つからず、結局トイレの近くのIエリアに場所を確保した。非常に良い場所だったと思う。トイレも水場も近くて。

場所を確保し、とりあえずメガネ先生とビールで乾杯。昨日禁酒していたため久しぶりの酒だ。空は快晴。ビールがガツガツ入ってくる。美味かった。

さて、テント設営。メガネ先生と事前に一度練習していたのだが、僕はすっかりやり方を忘れてしまった。メガネ先生の指導の下、15分ほどで完成。良い仕事した。ここでまた一杯。
しばらくして村田グループが来た。また乾杯。手馴れた手つきでテントを二つ組み立てる。スピード感ある雑な仕事ぶり(?)で二つのテントのうちのひとつは、後ほど悲劇を生む結果となった。
村田グループはフクヨと村田のイトコのマサの3人。後ほど村田の仕事の仲間も二人加わった。

しばらく喋くりながら酒を飲む。

しかし素晴らしいロケーションだと思う。大きな富士山が会場を見守り、青い空、気持ちの良い風、空気。思ったより全然寒くない、というかこの時点ではフクヨが上半身裸で日焼けを試みるなど、寒いというよりは暑い陽気だった。

2時近くなり昼飯がてらいよいよアクトを観にレインボーステージへ。



勝手にしやがれ」というスカ系(?)のバンドが演奏していた。こういう音楽はある程度の演奏だったらどんなものでも大体は楽しむことが出来る。アルコールも廻っていたし、久々の生演奏の興奮があったりして、前のほうへ行って踊ってきた。タコ踊り。楽しかった。ドラマーがウタを歌ってたのが印象に残った。あとはあまり覚えていない。この手の音楽はあまり区別がつかない。

昼飯はビールと焼肉メシ。あっさり食った。けっこう美味かった。
会場内で食ったのは、焼肉メシ、トムヤンクン、牛タン串、カルビ串。一番美味かったのはトムヤンクン。エビが入っていてちょっと豪華。あっさりしていてカラダが温まった。カルビ串、牛タン串は、店のおっさんとのやりとりは楽しかったがイマイチ美味くなかった。焼きが足りないのか、肉自体の問題なのか、肉独特の生臭さと固さが印象に残った。

会場内の雰囲気は思っていたものとは若干違った。去年のCSでの映像などから受けた印象は相当ピースフルなイベント、というものだったが、意外とみんな自分と自分のグループのなかで楽しんでいる感じ。今回呼ばれたアクトがあまりメジャーなものがいなかったこともあり、音楽的に繋がっている感じも無かった。会場がいっぱいいっぱいだったこともあり、フリスビーなどで遊ぶのも難しかった、というよりあの天気じゃ厳しいか。天気が悪くなってからは会場内で傘を使ったり道の途中で止まっていたりとマナーの悪さも気になった。演奏中にステージ近くでタバコを吸うのもやめてもらいたい。モグワイを聴きながら悦に入ってたのにタバコのにおいでなんか醒めてしまう瞬間が何回かあった。吸いたい気持ちもわかるが、マナーとして混んでる所ですうのは止めてくれよ。
みんなけっこう自分のことで一所懸命だった感じがする。そりゃそうか。ちなみに二日目歩いてたら、でかい傘の尖がった部分が目にぶつかった。頼むからフェスで傘は止めましょう。


さて。暗くなってから見たのはロン・セクスミス。ある程度名が知られたソングライターだけど、僕はCDを持っていない。いまいちウリがどこにあるか判り辛いアーティストだなあ、というイメージがあった。良い曲書くし総合的には凄く良いんだけど、なにか訴えてくるものが少ない感じ。で、そういうモノを取っ払ってくれる演奏に期待していた。暗くなってきたので雰囲気は非常に良く、しかも小雨がぱらついていて気温もちょっと下がっていた。そんなわけでロンの温かい歌声は凄く響いてきたんだが、どうしても盛り上がりに欠けるというか・・・。ブレイクする場面がほとんど無い。寝ながらダラダラ聴く分には最高だ、けど僕の持っていた印象を覆すようなステージではなかった。よかったんだけど。

イギリスからのアクトは「the stands」。オアシスも大絶賛(ってありがちなキャッチフレーズだ)のバンドというぐらいしか前情報が無かったが、直球のロックバンドは少なかったんで相当期待していた。前のほうでスタンバイ。


しみったれただっさいヒトがボーカル。ベースは少しハリスンに似ている。音はCASTとコーラルの合体したような感じで、これがまた地味。ベースとドラムのリズム隊がよかった(メガネ先生&フクヨ)らしいが、村田と僕は2曲でノックアウト。

ロックの「ロ」の字が足りない気がした。というより、実は僕自身に問題があったような気がする。ひっきりなしに飲んでいた酒が廻って、アタマが痛くなっていたのだ。そんなわけでもしかしたらスタンズは凄く良かったのかも。

早く引き上げてとりあえず睡眠。夢を見るぐらい寝た。寒かったけど。雨はまださほど降っていなかったので地面に寝転がることが出来た。気持ちよく寝れた。

起き上がると村田村の皆が集まっていた。次のモグワイについて話をする。みんなそれほどモグワイに期待して無さそうだった。僕自身もはじめてライブでモグワイを見る。雑誌とかでは「凄い轟音」って、なんだか少しおっかない感じの表現が多かった。僕はけっこうモグワイのCDが好きなので、ああいうメランコリックな盛り上がりだったらよいなあと思っていた。寝起きでもあり、正直それほど期待せず、ステージの後ろのほうで寝転がって見ていた。
しかし、最初の一発目のギターの音を聴いたらいてもたってもいられなくなった。ステージの前のほうに走っていった。凄くかっこいい音だ。
同じ芸の繰り返しだと思う。静かに始まってラウドに盛り上がり、また静かになる。ずっとこればっかだった。でも、この同じカタルシスが凄く快感だった。目を閉じるとどっかに飛んでいけそうな感じ。白く塗りつぶされそうな感じ。会場は、やたらと盛り上がることも無く、みんなそれぞれが自分の世界に入り込んでいるような独特の雰囲気に包まれていた。この雰囲気は今回の朝霧JAMを象徴した感じだ。
CDとは違うモグワイの凄さがわかった。CDではホントに一部分しか色が出ていなかったんだな。そんなに轟音とは思わなかった。凄くキレイな演奏だったと思う。

モグワイの演奏が終わってあたりを探したが、村田村の皆は既にテントサイトに帰ってしまっているようだ。ODAから電話があり、今タクシーに乗っている、そこはなんていう場所なんですか、とのこと。先に調べてからタクシー乗れよODA!と激しく突っ込みを入れたくなるがとりあえずグリーンパークのほうへ向かって、手前を右に曲がるよう指示。雨がパラつく中、キャンプサイトに戻ろうとするが、なんだか知らないうちに凄くテントが増えており、道にもテントが立っている始末で、自分の村がどこにあるかさっぱりわからない。やばい、迷った。こういうときにケイタイがあって凄くよかったと思う。メガネ先生に電話し迎えに来てもらった。

村田村では辻マサを中心に芋煮が作られていた。

ガスコンロを使った鍋会だ。具は豚肉に芋、ニンジン等。昨日辻マサが仕込んでくれたらしい。偉い。
辻マサは立教大からアイルランドへ向かい今年日本に帰ってきたそうだ。非常に話の袋も大きく、また非常に周りに気がつくタイプで、我々の周りには今までほとんど存在しなかったタイプ。彼がいなかったらきっと村田プロデュースのこの朝霧ジャムは成功しなかったと思う。来年も是非来て欲しい。
鍋の話に戻ろう。味付けは醤油ベース。鬼殺しも一パック入れたみたいだ。フクヨがブーブー文句を言っていたがあまり酒の味はしなかった。さっぱりとした美味しい鍋。味が濃すぎないため二杯食っても全然OKだった。しかもみんなで鍋を食う雰囲気が非常に良い。仙台時代の芋煮の場所取りを思い出した。



再びダラダラトークをしているとついにODAことオダが登場。タバコと氷を持ってきた。タバコは何故かロングを買ってきていた。ODAへ皆から不満の声が寄せられる。セッタでなくマイセンを買ってきたことでフクヨからも批判を受ける。しかしこのときODAが買ってきたタバコの量は尋常ではなく、実はタバコ代だけで3000円近くいっていたのではないか。富士宮から会場までタクシーで登場するVIPぶりも含め、ODAの貯蓄量がハンパでないことを皆に思い知らさしめた。

ODAを加え再び乾杯。村田の後輩田村君らもODAの意外な先輩風によって溶け込んでくる。勝沼のワインが意外に好評。適当に買ったものらしいが。ODAが登場したあたりから雨が強くなってくる。アンプにつないだi-Podの音もかき消してしまうような、けっこう激しく降る時間もあり少し不安になる。しかしこのときは,いまはこんなに雨が降っているがきっと翌日の朝日を拝めるんじゃないかとみんなかなり期待していたんじゃないか。

ウダウダ話して夜は更け、2時近くに就眠。実はテントで寝袋に入って寝るというのは初めての経験だったのだが、凄くすんなり寝ることが出来た。布団に入ってあっという間に眠りに落ちた。


翌日。「最悪だー!!」というフクヨの絶叫で目が覚める。

<二日目>

耳を澄ますと雨がテントを叩いている音が聞こえた。昨日の夜以上に雨が降っていた。外へ出るとフクヨ・村田・オダ・マサがもう起きていて、テントを何かいじっていた。どうやらフクヨとODAが寝ていたテントが浸水したらしい。フクヨの「最悪だー」はこの雄叫びだったのか。そのテントを加工して雨宿りスペースを拡張していた。今回、我々村田村が作ったテントは4つ。そしてひとつタープを張った。このタープを基地にして行動していた。しかし朝起きたらタープの下に置いた布は湿っておりその上に人は座れない。雨はいろんな所から入ってくる。そんなわけでタープの拡張をしていたのである。


雨は強く降り、止む気配はほとんど無い。とりあえずメシを食おうということになり、マサが昨日作った鍋に火を入れる。適度に煮詰まって味が凄く利いている。その中に主食として米をいれ、ついでにベビスターのようなヌードルをぶちこんでみた。やたらと美味いわけではないがそれなりのものになっていた。鍋のままのほうがきっと美味かったんだろうけど。この朝の時間はやたらとトイレが混んでいた。明るくなって周りを見ると、昨日の明るい時間より明らかにヒトが増えている。みんな雨でしんどそうだった。明るい中でヒトを見ると、非常に年齢層が高いフェスだと言うことに気付く。中心となる世代は間違いなく26〜28歳ぐらいの普段は日常の仕事でひいひい言ってそうな感じの人間。18歳以下はほとんどいない。変わりにその世代のキッズたちがいる。

雨は一向に止む気配が無く、逆に強まってる感すらあった。しかし、10時近くなり、ビューティフル・ガールズの演奏が始まる。村田、ODAとメガネ先生と僕が見に行くことになった。キャンプサイトからステージまでの道はぐちゃぐちゃだが充分歩くことは可能だ。撤収して大きな荷物を運んでいるヒトを何人も見た。ここで気付いておくべきことがひとつあったのに・・・。

ビューティフル・ガールズはオーストラリア出身の三人組だ。ベースとギターのヒトがどちらも良い喉を持っていて歌える。ジャック・ジョンソンやGラヴのようなサーファー系ミュージックで凄く達者だ。リズムがタイトでばっちりで、雨が降ってなかったら絶対踊っていた。日本語のMCも好印象。音楽性も幅広く、レゲエのリズムからダブ的な音に移ったあたりが凄く良かった。CD買おう。しかし雨がしんどく途中でメガネ先生とステージを離れる。帰りにダンスサイトであるmoonshineに寄って行った。当然誰もいない。ここも雨で水浸しだ。いまからここで踊るヒトは相当キレ無いと無理だな、見たいな話をしながらmoonshineを後にする。こっちのトイレは凄く空いていた。moonshineから僕らの村田村まではすぐだった。iサイトというところにキャンプを張ったのだが凄く良い場所だったと思う。来年もここに張りたい。

村田村に戻ると、みんな疲れきっていた。全員が大雨の中、撤収の心配と今後の雨を心配していた。少し雨が止んだときに撤収をしようとしたが、「村田村長がくるまでまとう」ということになった。雨が強まった11時過ぎに村田村長が帰ってきた。しばらく休んで撤退を決定し大雨の中みんなで協力して撤収作業。普段は烏合の衆である僕らも、こういうときはしっかりまとまってそれぞれがそれぞれでしっかりひとつの作業を行なえるから不思議なもんだ。1雨に打たれつつ20分ぐらいで撤収作業は完了。ゴロゴロ引いて帰り道についた。コレが凄くつらかった。行きでも重かったのに、雨を吸ってテントや寝袋は更に重くなっている。ゴロゴロも道がぐちゃぐちゃで上手く走らない。家路につく敗戦兵のような気分だった。村田やODAらと別れ、メガネ先生とレインボーを横切っていく。

帰りにステージで歌っていたのはユダ。浅井のボーカルが凄くかっこよく、迫力がある演奏。しばらく休みながら演奏を聴く。なんか力づけられる。ここで気付いたんだが、荷物を車の中に入れて、身軽になって演奏を見るのならこの状況なら耐えれるな、ってこと。既にクツはぐちゃぐちゃだし。撤収前に気付いているべきだった。しかし、車に荷物を入れたところで気力もなえてしまった。逆に気持ちは凄く明るくなったけれど。帰りの車の中では、今回のキャンプで何が面白かったかについてメガネ先生と話した。いやあ、ホント楽しかったなあ、と。3時過ぎに家に帰ってきた。帰っていつものようにテレビをつけるとマリノスと柏の試合がやっていて、ああコレっていつも通りの生活だなあと当たり前のことを感じる。風呂に入ったら眠くなった。

<総括>
凄くアクトがどっちでも良いフェスだった。去年に比べて「ロックフェス」としては弱すぎたと思う。メンツに魅力が無い。そういうものを必要とするならフジロックにでも行ってくれということか。でも、ちょっと弱すぎだったろう。FBSが来るという噂もあった。一度もmoonshineで踊らなかったが、音は聴こえてきていた。なんかずっとレゲエみたいなものばかり聴こえていたが、もっと間口の広い選曲のほうがよかったんじゃないかな。FBSで踊りたかった・・・。

アクトといえば、今回はぎりぎりまで発表が無かった。サプライズ無しでのあのタイミングでのアクト発表はありえないと思うのは僕だけではないはずだ。崎に出演者を発表していれば、チケットが全部売り切れることは無かったんじゃないかって思う。アクトを見る限り、キャンプメインの音楽サブなイベントであることは明らか(今年に限ってだけど)。もし先に発表していれば、もっと過ごしやすい環境が作れたんじゃないだろうか。それ以上に期待ばかり膨らませたあのやり方はイマイチ僕は納得できない。サプライズがあれば全然別だけど。要は一般のヒトにも話せる程度のビッグネームが一組ぐらいいても良かったんじゃないかってことを言いたい・・。贅沢だろうか。

キャンプは最高だった。アクトがどっちでもよかったのが逆に幸いしたのかもしれない。笑ってしまうのが、ロックフェスなのに村でメシ食ったり飲んだりしながら、まるで音楽の話題が出なかったと言うこと。感想を言い合うこともほとんど無かった。その部分を捉えると、やはりもう少し音楽面での充実がほしかったような気がする。
ひとつ気がついたのは、けっこうみんなフェス慣れしているなあということ。テント等をさっさと設営するのはもちろんなのだが、けっこうクールに道を歩いたり、アクトを眺めていたということ。年をとってる人間が多かったからかもしれないが、もっとウキウキ舞い上がっててもいいのになあと思った。ヒッピー系の自己陶酔型があまりいなかったのは良かったけど。

ロケーションは完璧。テントサイトはけっこう一杯一杯な感じがしたが、ステージを見たりするのは凄く緩くて良かった。僕はサマーソニックしか行ったことが無かったので、制限がない緩さが凄く良かった。欲を言えばトイレは1.5倍あっても良かったかもしれない。でもトイレで困ることは一度も無かった。

早くも来年の朝霧が楽しみで仕方ない。キャンプグッズをこの一年でどれだけ揃えられるだろうか。
後で電話で村田が「もっとタフになれ」みたいなことを言っていた。キャンプに行って力をつけよう。早く来年になって欲しい。有難う村田村のみんな、そして朝霧フェス。