solid bond

never a dull moment

  • Keane / Hopes & Fears」


2004年UKで最も期待されている新人の1STアルバムで、既にチャートの一位を獲得した。キーボーディストのティム・ライス・オックスレーと、コールドプレイのクリスが友達で、コールドプレイのキーボーディストとして参加はどうか、という話もあったらしい。こういった前評判そのまんまの音が鳴っている作品だ。

六月ももうすぐ終わりだが、梅雨という季節は湿気と暑さで生きているだけでイライラしてくる。湿気と温度、ある程度を超えると不快で堪らないものの代名詞。それはそのまんま音楽にも当てはめることが出来る。湿ったメロディー、温かいサウンド、これらは過剰になりすぎればウザったいものになってしまう。その境界はヒトそれぞれだが。

キーンはギターレスのトリオ。ギターレスのトリオというとベン・フォールズ・ファイヴがいるが、その対極にあるバンドだといえるだろう。ベン・フォールズはピアノの叙情性を音圧で吹き飛ばそうとしているが、このバンドはいかにその叙情性を伸ばしきれるか、というところに全ての努力や情熱が注がれている感じがする。コールドプレイより過剰な叙情性を、マニックス以上の大袈裟なヴォーカルとアレンジで、フレディー・マーキュリーに近づかんとばかりに歌い上げる。はっきり言おうか、暑苦しいよ。