solid bond

never a dull moment


ニューヨーク出身らしいが、陰湿なメロディーや爬虫類系のヴォーカルは、まんま80年代のUKニューウェイヴバンドのサウンドに聴こえる。どこのパーツを取ってみても非常に古典的であり、このバンドならではの新しさというのはほとんど無い。敢えて言及するなら、真っ暗闇のサウンドの中で、唯一光り輝いているように聴こえるギターの音か。ニューウェイヴの常道から外れないけれど、キラキラした音を鳴らしていて若干の違和感を生んでおり楽しい。

数年後にはマリオンのように消えている存在だと思う。しかし、付随する要素、例えば自殺者を出したとか、凄まじく乱暴な歌詞(歌詞は、普通に聴く分には僕ら日本人にはわからない)だとかを除いて、単純に音だけを聴く分には、この手のバンドの中では最も素晴らしい部類に入る演奏じゃないか。オリジネイターが一番良いかというと、そうでもない場合がけっこう多い。僕は24 Hour Party Peopleを見てジョイ・ディヴィジョンに興味を持った人には、彼らの古臭いアルバムではなく、まず入り口としてこのバンドを薦めたい。