solid bond

never a dull moment

  • webb brothers / webb brothers


前作「MAROON」がスマッシュヒットしたウェブ・ブラザーズの3rdアルバム。日本盤が出なかったためか、全く話題になっていないが、前作に勝るとも劣らない優れた作品に仕上がっている。

70年代を中心に活躍したジミー・ウェブを父に持つ兄弟のユニットで、二世らしい放蕩感を非常に感じさせるのが特徴だ。地下室で育った感覚。酒とかドラッグとかを若い頃から相当やりこみ付随する享楽を知り尽くした人間にしか出せない、濃厚な快楽を感じさせる。ポップでありながら、どこか醒めた感じがあり、音の熱狂の中に自分達が存在していない。聴き手とは圧倒的な断絶がある。醒めた感じは、死を思わせるほど冷淡だ。
この感覚は、「ペット・サウンズ」やミレニウムの「ビギン」あたりに受けるものに近い。

もっと高い評価を受けてしかるべきアルバム。「ポップの裏の偏執的な闇」、この感覚がわかるヒトに是非聴いてほしい。ジャケット最悪だけど。