- Traffic / John Barleycorn Must Die
エリック・クラプトンらと組んだスーパーグループ、ブラインド・フェイスが空中分解した後、スティーヴ・ウインウッドはソロアルバムの制作に入る。そこへジム・キャバルディとクリス・ウッドが参加、最終的に第二期トラフィックの復活版として発表された70年のアルバム。
収録曲は6曲しかないが、全ての曲が多様な音楽性を持っていて、濃縮した音になっている。ジャズやトラッド、サイケ、レイドバックなどがごちゃ混ぜになりながらうまくまとまっていて、スリリングなんだけど緩く、とてもかっこいい。60年代後期〜70年代前期のロックのかっこいい音が全て込められているといっても言い過ぎじゃないだろう。特にスタイル・カウンシルのような1曲目(インスト)には完全にノックアウトさせられた。力の抜けたピアノとそれに絡む管楽器が最高にクールだ。緩んだり弾けたり、伸びたり縮んだりの展開も素晴らしく、7分近い曲だが飽きることなく楽しめる。この曲の幅の広さがアルバム全体を象徴している。2曲目以降の歌モノも贅肉ゼロのシャウトが最高にかっこいい。フルートやパーカッションの音色が、自然な感じでボーカルに絡んでいる。この手の音が好きな人にはホントに堪らないアルバムだ。
トラフィックの傑作といえば、初期の2枚が有名だが、どうやら熱心なウィンウッド・トラフィックファンの間では、この作品が代表作のようだ。渋みある大傑作だと僕も思う。「ワイルドウッド〜スタンリーロード」あたりのウェラーが大好きな人にもオススメする。絶対気に入ります。