solid bond

never a dull moment

なぜかよくわからないけれど、急に学生時代の旧知のことを考え、そこから青い空、太陽、海までの道、原付、と今では忘れかけたいろいろなアイテムについて思いをはせることがある。ジジ臭いが、例え15歳のヒトでも、そういうなにかをきっかけにして、ガッツーンといろんなものが思い出されたり、すぐそばにあるもの、有ったもののように思えるっていう体験は、必ずしたことがあるはずだ。このアルバムを聴いてると、「あの夏」がすぐ近くにあったもののように感じる。最高に甘酸っぱい青春アルバムだ。

 三枚目にして最高傑作。ここ数年出たポップアルバムの中でもっとも綺麗で甘いメロディが詰ったアルバムだと思う。コード進行、楽器の鳴り、メロ、素晴らしく練られている。1枚目の微妙なグランジ感覚や、2枚目のおもちゃ箱的楽しさから、更なる成長を遂げている。マジで全曲シングルカット可能だろう。その中でも、とくに僕が好きなのが4曲目。この哀愁が堪らない。サビから間奏に移る所のコード進行がホントに絶妙で(1分55秒付近)、僕は何故かスピーカーから目が離せなくなってしまった。何を見ていたのだろう。職人の技に驚愕です。

 今年の夏はいろんなCDが出て、たくさん聴いた。一回聴いて、もうそれっきりのアルバムも何枚かある。その中で、FOWのこの一枚は間違いなく、今年の夏一番聴いたCDだ。1枚目2枚目も、何度も聴き直した。全然古臭くなっていなかった。メロディのチカラって凄い。普遍だ。
 「Welcome Interstate Managers」も、5年後、10年後に聴いたとしても、輝きを失うことは無いだろう。死ぬまで聴ける一枚。これを聴かないポップ好きは信じられない。