solid bond

never a dull moment

  • I Am Kloot / I Am Kloot

2001年に出た1STアルバム「 Natural History」はホント良く聴いた。
昭和の場末の酒場、って感じのイナタさが独自の個性を出していた。
2NDアルバムにあたる今作も、基本的には「アコギと渋い声で聴かせる」姿勢に変化はない。ワインより焼酎が似合う渋いロックだ。

ニール・フィンを老獪にさせたような声は伸びを増し、すっきりした歌い方も出来るようになった。前作では、ずっと高いままだったテンションも、スロウダウンする瞬間が何度もあり、一辺倒なイメージは払拭。「流し」なメロディの歌謡曲臭さはそのまんまで、前作のアル中好みする雰囲気を愛していた僕みたいなロクデナシも満足。

ひとつ苦言を呈するなら、生々しさが消えたことか。前作はELBOWのガイがプロデュースで、音が凄くリアルに響いていた。シングル「Morning Rain」とかすぐ側で演奏しているような録音だった。今作はけっこう音響的に処理されていて、演奏の前に霞がかかってしまった感じ。まあリラックスして聴く分にはいいんだけれど。殺伐とした感じは無くなってしまった。

夜の静粛な中で読書でもしながら聴くにはぴったりだ。80年代的な部分を持ちつつ、オーソドックスな演奏を聴かせる、ってのは有りそうでなかった。非常にノスタルジックな作品。クラウディッド・ハウスにKOされた高校の頃
の自分を思い出した。